2022 年 71 巻 2 号 p. 301-306
生活習慣病の増加に伴い,非アルコール性脂肪肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease; NAFLD),非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis; NASH)の患者は増加しており,肝細胞癌や肝硬変の主な原因となりつつある。NAFLD/NASHは肥満,インスリン抵抗性など2型糖尿病と共通リスク因子をもつため,2型糖尿病との合併率が高いとされる。今回,2型糖尿病患者を対象に,M2BPGiの測定データから肝線維化の状況ならびに,その影響因子について検討した。また,既存の肝線維化スコアリングシステムであるFIB-4 indexとの比較も行った。2型糖尿病患者全対象者のM2BPGi値は0.22~4.11 C.O.Iの範囲となり,中央値は0.815 C.O.Iであった。カットオフを1.0とした場合の陽性率は38.2%であった。M2BPGi値に対する影響因子を検証するため,M2BPGi値を目的変数とし,説明変数に生化学検査,血算,HbA1c,年齢,BMIを用い,重回帰分析を行った。結果,AST高値,高齢,アルブミン低値,トリグリセライド高値がM2BPGi高値の因子として有意であった。FIB-4 indexとの相関性は極端値除外処理後の169例で相関係数(r)を求めたころ,r = 0.449であった。M2BPGiとFIB-4 indexの判定一致率は53.5%(陽性53例,陰性38例)となり,不一致例はM2BPGi(−)でFIB-4 index(+)が66例,M2BPGi(+)でFIB-4 index(−)が12例であった。2型糖尿病患者については,FIB-4 index陰性例であってもM2BPGiを測定することで,肝線維化症例の見落としを防ぐことが期待される。