Loop-mediated isothermal amplification(LAMP)法は新型コロナウイルス(COVID-19)の検出に用いられているが,日常検査で反応阻害物質の影響は評価されていない。我々はLAMP法用に開発された外因性コントロールの臨床検体に対する反応性を評価した。鼻咽腔検体(陽性20,陰性80)を対象とし,標準試薬と外因性コントロールを用いたLAMP法のThreshold time(Tt)値を収集した。外因性コントロールでは蒸留水を同時測定し,Dt値(検体-蒸留水のTt値)を算出した。外因性コントロールは,全検体(n = 100)で増幅を認めた。Dt値の中央値は,陽性検体1.4,陰性検体1.3であり,最大値は4.0であった。最大のDt値(4.0)を示した検体は,反応阻害の影響を受けずに判定可能であった。外因性コントロールのTt値は,陽性検体(中央値15.9)と陰性検体(中央値15.8)の間に差を認めなかった(p = 0.75)。結論として,外因性コントロールは全検体で正常な増幅反応を示し,最大4.0分のDt値を示す検体では反応阻害の影響を受けずに判定できた。また,外因性コントロールは陽性検体と陰性検体の反応性に差はなかった。今後は反応阻害を認める検体や喀痰の評価が必要である。