医学検査
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技術論文
微生物感受性分析装置DPS192iXを用いたAerococcus urinaeの薬剤感受性試験の検討
下地 真里有上地 幸平中野 安実与儀 翔平上地 あゆみ前田 士郎
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2023 年 72 巻 4 号 p. 557-561

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抄録

Aerococcus urinaeの薬剤感受性試験に関する検討報告は少ない。本検討ではA. urinae 38株及び精度管理用標準菌株2株を対象とし,DPS192iXおよび対照法としたフローズンプレート‘栄研’(栄研化学)により各抗菌薬のMICを測定,その一致率を検討した。全抗菌薬におけるMICの±1管差以内の一致率(±1 Essential agreement; ±1 EA)は94.3%(85.7~100%),カテゴリー判定一致率(category agreement; CA)は97.1%(85.7~100%)であったが,ceftriaxoneとlinezolidで±1 EA が90%未満,levofloxacinでCAが90%未満であった。Minor errorはceftriaxone 2.9%,ciprofloxacin 8.6%,levofloxacin 14.3%,Major errorおよびVery major errorは認められなかった。A. urinaeにおけるDPS192iXの自動判定を用いた薬剤感受性試験は多くの抗菌薬で参照法との良好な一致率を示したが,フルオロキノロン系抗菌薬やceftriaxone,linezolidなど一部の抗菌薬では,さらなる検討が必要であると考えられた。

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© 2023 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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