2024 年 73 巻 4 号 p. 807-813
Burkholderia pseudomallei(類鼻疽菌,以下B. pseudomallei)は,土壌等に分布する環境菌で,汚染水の飛沫吸引等で感染する。今回,胸水よりB. pseudomalleiが検出された症例を経験したため報告する。患者はタイ国籍の30代男性。発熱,悪寒戦慄を主訴に受診。胸水貯留,心拡大,腎機能障害等を認めたため入院。胸水増菌培養よりグラム陰性桿菌を検出し,特徴的な安全ピン様を呈した。培地上にスムーズ型のコロニーを形成し,その後培養を続けるとムコイド状集落から縮んだ皺のある集落となった。同定検査結果は,B. pseudomalleiであった。本菌は感染症法では三種病原体等に分類され,4類感染症に位置付けられているが,日本に常在しておらず,稀であるため,国立感染症研究所に行政検査を依頼した。培養した培地上でB. pseudomalleiの生菌が観察された。オキシダーゼ試験が陽性とclavulanic acid/amoxicillin(CVA/AMPC)が感性で,gentamycin(GM)とcolistin(CL)が耐性であることから,B. pseudomalleiの特徴と一致していた。更にLAMP法とMultiplex PCR法を行い,B. pseudomalleiが同定された。文献的考察を加えて報告する。