2025 年 74 巻 1 号 p. 154-161
臨床検査の標準化が進められている時代の中で,細菌検査分野は検査技術や結果が技師の技量や判断に関わる部分が多く,検査標準化が遅れている分野である。今回われわれは日臨技近畿支部医学検査学会の微生物シンポジウム開催に先立ち,近畿地区の微生物検査室を有する施設における検査前プロセス,塗抹検査,菌種同定,薬剤感受性検査,耐性菌検査,血液培養検査および報告コメントに関する検査の現状についてアンケート調査を行った。その結果,検査方法,結果やコメントの報告方法などにおいて,施設により大きく異なっている現状が明らかとなった。今後標準化を進めるうえで現状を把握するための有用な資料となると思われた。