ホルター心電図検査は,日常生活の中で起こりうる心イベントの検出を目的に長時間連続して測定する。本邦の高齢化に伴い,心疾患のハイリスク群である高齢者におけるホルター心電図検査の有用性は今後さらに高まると考えられる。本研究では,高齢者におけるホルター心電図検査の所見とその発生状況,患者背景について調査し,転帰とその関連性を検証した。対象は2021年から2023年に当医療センターにおいて24時間ホルター心電図検査を実施した65歳以上,かつペースメーカー未装着の外来患者905名である。検査後に侵襲的治療に至った要因を,自覚症状や検査所見等から統計解析した。検査後に侵襲的治療を行った51例と行わなかった860例について比較したところ,侵襲的治療群では性別(男性),めまい,3秒以上の心拍停止,新規ST-T変化,最大心拍 ≥ 150/分,最小心拍 ≤ 40/分,心房細動/粗動(発作性含む),房室ブロックが有意項目であった。侵襲的治療を目的変数として多重ロジスティック解析した結果,新規ST-T変化,3秒以上の心拍停止,めまい,房室ブロックの4項目が有意項目として抽出された。めまいは高齢者の心イベントの重要所見であることが示され,他の3項も緊急度の高い所見に一致した。高齢者では症状を訴えられない患者や特異症状を示さない場面も多くなる。重大な転帰に至らないために,検査室では積極的にホルター心電図検査の有用性を示すことが肝要である。