医学検査
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技術論文
ムーコル(ケカビ)目に属する真菌の簡易同定法と抗真菌薬感受性の検討
佐子 肇山内 寿音羽月 香子齋藤 晴子
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2026 年 75 巻 2 号 p. 263-272

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抄録

ムーコル症(mucormycosis)は,ムーコル目(Order Mucorales)に属する菌種によって引き起こされる真菌感染症である。ヒトの主要な病原体は,Rhizopus属が多く,Mucor属,Rhizomucor属およびLichtheimia属(旧Absidia属)が次いで多い。近年,Cunninghamella属の報告が増えてきている。今回,我々は臨床分離株と土壌からの分離株の計43株をムーコル(ケカビ)目に属する菌種の簡易同定と抗真菌薬感受性について検討した。属レベルにおける同定は真菌蛍光染色KBM GPフルオファンギー染色液キットの真菌染色液のみを使用した方法と従来法(ラクトフェノール・コットン青染色)の2つの手法を用いた。前者は真菌の細胞壁に存在する多糖類に特異的に結合するため,胞子嚢や胞子嚢胞子がよく染まり,後者は真菌の構造体を染めるため,菌種を包括的に特徴付けることができた。酵母真菌薬剤感受性キット(ASTY)を応用した抗真菌薬感受性はアンホテリシンB(AMPH-B)が良好な結果を示したが,フルコナゾール(FLCZ)およびボリコナゾール(VRCZ)は耐性を示した。イトラコナゾール(ITCZ)は一部のムーコル目に属する真菌に感受性を示した。ミカファンギン(MCFG)とカスポファンギン(CPFG)は耐性を示した。菌種により治療効果および予後が異なる可能性が示唆されており,可能な限り属レベルで同定することが望ましいと考えられた。

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