2024年4月の労働安全衛生法改正により,医療現場における化学物質管理の厳格化が求められている。特にホルマリンは劇物として多くの法規制の対象となり,診療科ごとに使用形態が異なるため,統一的な管理が困難である。当院では,病理部による一括管理体制を構築しつつ,使用現場に応じた合理的かつ安全なホルマリン管理方法を考案・導入した。具体的には,テンキー式施錠機能を備えた窓付きパスボックスを設計・製造し,病理部,内視鏡室,分娩室,手術室内病理部に設置。化学物質管理ソフトCRISと連携した出納記録の徹底により,紛失・盗難・誤用の防止と医療安全の向上を実現した。導入から2年間で紛失事故はゼロを達成し,診療支援と環境管理の両面で高い評価を得ている。本報告は,医療機関におけるホルマリン管理の新たな実践モデルとして有用である。