抄録
MgSiO3-ペロブスカイト(Mg-pv)は電子線に弱く短時間でアモルファス化するため,透過型電子顕微鏡(TEM)による観察が難しいとされているが,本研究では観察条件をかえてアモルファス化を防ぐことを試みた. _丸1_加速電圧と試料ダメージの効果を検討するため,200・400・1000 kVの各加速電圧において観察を行ったところ,400 kVにおいて,電子回折パターン(ED)にハローが出現してくるものの高分解能像の撮影が可能であった. _丸2_電子線照射による温度上昇がアモルファス化を引き起こしている可能性を検討するため,-185℃において観察を行ったところ,長時間の観察(4時間)を行ってもEDにハローが全く出現しなかった.微細構造の観察が可能であり,また高分解能像の撮影も可能であった. したがって,加速電圧の効果よりも試料の温度上昇を抑えることが重要であり,冷却ホルダーを用いた観察が効果的である.