片側顔面けいれん(HFS)の発生機序には様々な議論があり,瞬目反射(blink reflex)検査における診断基準は確立されていない。我々はHFSにおけるblink reflexの有用性について検討した。対象はHFS 10例。Blink reflexを微小血管減圧術(MVD)の術前・術後で,異常筋反応(AMR)を術前,術中,術後に記録した。Blink reflexの記録方法は,眼窩上孔を刺激し,両側の眼輪筋(OOc)と口輪筋(OOr)で導出した。Blink reflexは術前の患側刺激OOc導出にて,全例で患側にR1,R2,健側にR2を認めた。OOr導出では患側にR1,R2を認めたが,健側で電位波形は識別できなかった。健側刺激では8例で患側のOOr導出にてR2を認めたが,2例では両側ともOOrに電位波形は識別できなかった。術後,症状が消失した8例では患側のOOrの電位波形はいずれも消失していた。症状が残存した2例では,患側および健側刺激ともにOOrのR2は消失していたが,患側刺激のOOrでR1が認められた。AMRは術前評価で波形が明瞭に導出されない例が散見された。術後症状が消失した8例において術後AMRは消失していた。術中AMRモニタリングでは責任血管操作中にリアルタイムな電位波形の変化を得ることができたが,減圧操作以外のところでAMR消失を認めることがあった。HFSにおけるblink reflexはOOr導出を組み合わせることが重要であり,病態把握や予後評価の一助になり得る可能性が示唆された。