医学検査
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症例報告
熱中症による白血球の放射状核を認めた2症例
橋上 明菜, 河野 浩善, 難波 加代子, 池本 史織, 渡邊 隆徳, 岩田 英里子, 柳田 野乃佳, 関藤 真由美
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2026 年 75 巻 3 号 p. 634-641

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抄録

熱中症などの高体温状態では末梢血液像にて“botryoid nuclei”と呼ばれるブドウの房状を呈した白血球の放射状核が認められると報告されている。当院でも,熱中症による白血球の放射状核を認めた2症例を経験した。熱中症における白血球や血小板の形態学的変化やその機序については未だ十分に検討されていないため,今回,高体温状態を人工的に再現し,加温温度と経過時間による白血球数,血小板数及び形態学的変化について検討を行った。その結果,白血球数は加温後に減少傾向を認め,血小板数には一定の傾向を認めなかったが,加温温度及び時間依存性に血小板凝集やフィブリンの析出が確認された。白血球の放射状核の出現は,高体温の中でも40℃以上になると顕著であり短時間の加温でも核の形態異常が確認された。本検討では好中球よりも単球の方が温度による影響を受けやすく,形態変化を来しやすいことが示唆された。また,放射状核を呈する白血球は加温温度及び時間依存性に形態変化を起こし,最終的に脆弱化した細胞はスマッジ細胞の増加として確認された。今後,検討症例及び熱中症を含む高体温の臨床症例を蓄積することで高体温による形態学的変化やその機序,熱中症の病態や重症度との関連について解明されることが望まれる。

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