医学検査
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第5章 検定の原理
佐藤 正一
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論文ID: 24J1-5

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抄録

検定の基本的概念は,得られたデータが同一の母集団から得られたものであるかどうかを判定することにある。したがって,平均値の差の検定であれ,分散の差であれ,違いがあれば仮説を棄却し,差があると判断する。検定法は,背理法という証明方法を使って矛盾を導き出し,否定を証明する方法を用いる。得られたデータについて,正規分布が仮定できる場合はパラメトリック検定を行い,分布型が特定できない場合や正規分布が仮定できない場合にはノンパラメトリック検定を行う。そして,判定方法に方向性がある場合は片側検定,ない場合は両側検定を行う。さらに,αエラー(第一種の過誤),βエラー(第二種の過誤)の2種類の過誤の発生確率を理解し,コントロールしながら進める必要がある。また,検定結果はデータ数の影響を受けるため,データが多すぎると有意差が出やすくなる。統計的検定は複数の要素を考慮しながら慎重に進める必要がある。また,臨床的に意味のある差があるのかを判断することが求められる。

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