日本看護管理学会誌
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資料・報告
英国における有資格看護補助者養成の現状と看護職者への影響
林 千冬
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キーワード: NVQ, 看護補助者
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1998 年 2 巻 1 号 p. 50-56

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抄録

英国では1986年にNational Vocational Qualification (NVQ) と称する産業技術者資格の養成制度が創設され,現在,12の産業分野で300種類,医療福祉分野では23種類のNVQが養成されている.これらNVQには5つのレベルがあるが,医療福祉分野のNVQは,今のところ自律性や責任の範囲が比較的限定されたレベル2と3のみにとどまっている.ケア業務に携わるNVQのうち日本の看護補助/介護職員に相当するのはレベル2のDirect Care NVQs で,この養成は医療施設に現在就労している看護補助者を対象に現任教育の一環として行われることが多い.

1997年春に英国のNHS Trust 病院で実施したヒアリング調査によれば,院内でのNVQ養成は全国基準に厳密に従って行われ,NVQ と看護職員の業務分担についても,詳細なJob Description に NVQ は必ず看護婦の指示の下で業務を行う旨が明記されていた.

こうしたNVQの養成においては,Assessor資格を持つ看護職者が重要な役割を果たしているため,NVQ養成が看護職にとって新たな能力発揮の好機をもたらしたという評価があるが,一方では,医療福祉分野にも近い将来レベル4以上のより自律性の高いNVQ導入の可能性があるため,業務におけると同時に教育課程におけるNVQと看護職との重複や混乱が危惧されてもいる.

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© 1998 一般社団法人 日本看護管理学会
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