1998 年 2 巻 1 号 p. 57-64
平成4年度の,診療報酬「在宅療養指導料」新設を契機に,当病院では外来プライマリナーシングという独自の外来看護相談提供システムを発展させてきた.システムの概要を述べ,過去5年間の活動実態とその活動に携わることによる看護婦の変化を調べた.
相談は「在宅療養指導料」算定基準に準じて行っている.患者に相談の必要があるかどうかは主として看護婦が判断し,医師に開始の指示を依頼して,同一看護婦が継続対応できるように業務調整している.5年間の相談患者数は615名,内科,外科,小児科の順で多く,全相談件数に占める診療報酬算定患者は増加傾向にあった.
外来看護婦31名のうち,本活動経験があるのは19名で,活動に携わる前に比べ,看護過程の展開では「患者や家族が話しかけてきた時はできるだけ話を聞くようになった」「声をかけて家での様子を聞き出すようになった」が「非常に」変化し,チームワークが良好になり,自己学習推進・仕事に対する満足と自律性は「かなり」または「少しは」増加したものが多く,業務負担は増加と変化なしがあった.自由記載には「忙しいが,満足感がある」「患者の見方がかわった」などであった.活動経験のない12名の回答は「大変そう」だが「やってみたい」一方で,「時間内にはできそうにない」という傾向であった.これらから,本活動は看護婦の人材活用と能力育成の点で有用と考えられ,活動の拡大が目標である.