日本看護管理学会誌
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「『看護管理者のコンピテンシー・モデル』を活用した教育プログラム」が看護管理者にもたらす変化
笠松 由佳小玉 淑巨福家 幸子宗村 美江子若本 恵子深堀 浩樹
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2022 年 26 巻 1 号 p. 104-114

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抄録

目的:「『看護管理者のコンピテンシー・モデル』を活用した教育プログラム」を受けた看護管理者が認識した看護管理者としての行動や意識の変化,および組織の変化を明らかにする.さらに,看護管理者が教育プログラムを通してコンピテンシーを理解していく様相を明らかにする.

方法:看護管理者の育成手法として開発されたこの教育プログラムは,6クラスター,16コンピテンシーで構成され,各コンピテンシーは6段階のレベルに分かれている.教育プログラムを実施している2施設に所属する看護管理者15名を対象にフォーカスグループインタビューを行い,内容分析のinductive approachにより分析した.

結果:看護管理者としての行動や意識の変化と組織の変化として4つのカテゴリー【冷静さと俯瞰力がつく】【自己確信できる】【作りたかった部署を実現させる】【看護管理者全員同じ目標に向かう】が抽出された.教育プログラムにおけるコンピテンシー理解の様相として2カテゴリー【事例記載の困難を乗り越えコンピテンシー概念の理解を深める】【コンピテンシーの内在化が進み使いこなす】が抽出された.

結論:本教育プログラムにより,看護管理者は個人の行動や意識の変化のみならず,組織全体の変化も感じていた.事例記載は,実践を振り返る機会となりコンピテンシーの理解を深めていた可能性がある.

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© 2022 一般社団法人 日本看護管理学会
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