日本看護管理学会誌
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原著
看護職のキャリア・ディベロップメントに関する実証的研究
―キャリア志向のタイプと形成時期―
坂口 桃子
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1999 年 3 巻 2 号 p. 52-59

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抄録

保健医療を取り巻く環境変化に伴い,専門性の高い看護ケアを提供できる看護職の育成が急務であり,効果的なキャリア・ディベロップメント・プログラム(CDP)が求められている.キャリア・ディベロップメントの根本問題は,個人のニーズと組織のニーズのマッチングにあるが,個人はお互いに異なっているし,組織も異なっている.そのうえ個人も組織も環境の変化に応じて変化するものであり,マッチングのプロセスは非常に複雑である.

このようにキャリア・ディベロップメントは,微妙で曖昧な問題を内包していることを前提に,効果的なCDPを策定するうえで重要な手がかりを与えるであろう,キャリア志向について探求した.文献検討に基づきキャリア志向のカテゴリーは,シャインのキャリア・アンカーのコンセプトを援用した.看護職のキャリア志向にはどのようなタイプがあり,いつ形成されるのだろうか,1病院看護部の協力を得て調査を行った.その結果,看護職のキャリア志向には,「安定性」,「他者への奉仕」,「専門的・職能的能力」,「自律性」,「創造性と企業家精神」の5パターンが確認された.キャリア志向の形成は,多くの場合10年前後におよぶ実際の仕事経験を必要としていた.

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© 1999 一般社団法人 日本看護管理学会
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