日本看護学教育学会誌
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研究報告
看護教育における解剖学・生理学の教育に関する研究 第1報
─  強化したい内容の科目担当教員と看護教員の認識の差異  ─
林 美奈子小薬 祐子関根 龍子荒川 千秋原田 勝利黒臼 恵子堤 千鶴子新井 清美
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キーワード: 解剖学, 生理学, 教育, 看護学生
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2013 年 22 巻 3 号 p. 23-32

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抄録

〔目的〕看護基礎教育における解剖学・生理学(形態機能学)の教育のニーズの実態を明らかにし、看護学生の知識定着を促す効果的な教育方法についての検討資料とすることを目的とした。〔方法〕看護師国家試験出題基準の『人体の構造と機能』の小項目150項目について、全国の看護系大学の教員(看護教員557名、解剖学・生理学の担当教員70名)に質問紙調査を実施した。〔結果〕30%以上の両群の教員が増やしてほしいとした項目は、2項目(体液の酸塩基平衡、ホルモンの化学的性質と作用機序)であった。10%以上の両群の教員が削ってもよいとした項目は、4項目(核酸の代謝、妊娠・分娩・産褥、胎児の発生、組織及び臓器の機能的加齢変化)であった。〔考察〕増やしてほしい項目は、体内環境の調整機能を果たしている項目であり、その学習の強化を望むのは人々の健康・生活に関与する看護学生の教育においては必然と考えられた。削ってもよい項目は、解剖学・生理学において学習するよりも、生化学・周産期医療(母性看護学)・高齢者医療(老年看護学)といった科目で、専門的知識を有した教員が教育を担うことがより適していると考える教員が多いことが窺える。

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© 2013 一般社団法人 日本看護学教育学会
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