日本看護学教育学会誌
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調査研究
看護大学入学時における学生の学習レディネスに関する事前評価
-看護行動と関連する生活経験と学習をめぐる内容を中心に-
田島 桂子清川 浩美野村 志保子豊島 由樹子江田 純子山中 いち延近 久子
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1994 年 4 巻 1 号 p. 19-34

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抄録

 本研究は、4年制看護大学入学生の入学以前における看護行動と関連する生活経験、学習の仕方および学習への関心について、その実態を明らかにする目的で行ったものである。研究対象は全国の4年制看護大学入学時の学生で、入学時オリエンテーション等を利用した質問紙による集合調査である。調査内容は食事、衣類、清潔、対人関係、余暇、学習などに関するもので、実施年月日は19934月である。

 その結果、対象校20校(入学生定員数1155名)中15校から774名の回答が得られ、次のようなことが明らかになった。1)日常生活上必要な行動においては大半の学生が経験を持ち、しかも望ましい習慣に基づいて行っているものが多い。2)対人関係においては常識的な範囲でのマナーは心得ており、ボランティア活動などの社会的関わりを経験しているものも多いが、一部には人との関わりが少ないものもいる。3)学習面では、看護についての望ましいイメージと看護職者に必要な能力についてのある程度の望ましい準備性がある。さらに、関心事には、医療の諜題、人間の生活や生物などを挙げ、学習方法としては、自らが積極的に参加できるものや学習内容が拡がるものを期待している。

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© 1994 一般社団法人 日本看護学教育学会
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