日本看護科学会誌
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研究報告
超音波診断法による妊婦への心理的影響
―施行者及び出産歴による比較―
和泉 美枝羽太 千春我部山 キヨ子
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2011 年 31 巻 3 号 p. 3_42-3_49

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抄録
目的:本研究の目的は,超音波診断法の妊婦への心理的影響が施行者である医師と助産師,及び出産歴などの妊婦の背景により異なるかを明らかにすることである.
方法:正常経過である妊婦215名を対象に,超音波検査後に無記名自記式質問紙調査を行った.
結果:超音波診断法の心理的効果は,施行者である医師と助産師による差はなかった.しかし,初産婦や妊娠確定時に妊娠を肯定的に受け止めた妊婦,超音波診断法により胎児を自分とは別の個人,もしくは自分の一部だとの思いを強くする妊婦により顕著に表われていた.
結論:助産師の超音波診断法実施においても医師と同等の心理的効果は得られ,助産師の実施も意義はあること,経産婦より初産婦に超音波診断法を用いた保健指導の効果が期待できること,同診断法を用いて胎児の存在を妊婦に意識付けできる関わりが重要であることが示唆された.
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© 2011 公益社団法人 日本看護科学学会
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