日本看護科学会誌
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研究報告
地域で暮らす高齢者の見守りの概念分析
神崎 由紀
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2013 年 33 巻 1 号 p. 1_34-1_41

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抄録
目的:地域で暮らす高齢者の見守りについて概念分析し,構成要素を明らかにして概念を定義すること.
方法:Rodgers (2000)の概念分析の手法を用いて概念を定義した.文献は,医中誌WebおよびPubMed,CINAHLを使用し,検索された257文献から無作為に抽出した55文献を対象とした.概念の属性,先行因子,帰結について質的に分析した.
結果:概念の属性は【心情や状況を考慮した距離の保持】【観察や測定による安否の確認】【住民や機関が協力した対象の把握】の3カテゴリであり,先行因子と帰結はそれぞれ4カテゴリで構成された.先行因子は,高齢者の要因と高齢者を取り巻く要因に大別された.帰結は,個々の高齢者への影響と,家族や地域の人々の関係を含む概念であった.そして,属性を基に概念を定義した.
結論:本概念は,わが国の公衆衛生看護実践での高齢者の実態把握や予防活動の推進,地区組織活動の促進,教育・研究活動の向上のために活用可能である.
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© 2013 公益社団法人 日本看護科学学会
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