日本看護科学会誌
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研究報告
地域に住む青年期進行性筋ジストロフィー患者の自立プロセスの記述的理解
山口 未久
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2013 年 33 巻 2 号 p. 2_62-2_69

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抄録
目的:進行性筋ジストロフィーの当事者が自立に向かうプロセスと自立のありようについて,その経験を記述する.
方法:青年期の筋ジス患者を対象に半構成面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによる分析を行った.
結果:対象は地域で自立生活を送る当事者18名であった.全員が小児期に発症し現在人工呼吸器を使用していた.対象者は,【進行を受け止める】ことと,【介助への依存と生活の主体性の両立をはかる】ことを経験し,病気が進行する中で少しずつ介助に頼らざるをえない状況が拡大していく中にありながらも自立を追求していこうとする患者のありようが,「主体的に生きること」すなわち【主体的生】として見出された.
結論:【主体的生】は,青年期の筋ジスの当事者が身体面で依存していかざるをえない状況においても,主体性を得ようとあらがう中で見出される,生き方への姿勢であると考えられた.患者は,あえて地域で生活することを選び,能動的に主体性を求め依存に立ち向かう生き方を求めていた.
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© 2013 公益社団法人 日本看護科学学会
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