日本看護科学会誌
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原著
看護ケア発展に向けたキュアとケアを融合した看護実践の内的構造の分析
荒川 祐貴 井上 智子
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キーワード: 看護実践, ケア, キュア
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2015 年 35 巻 p. 72-81

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抄録

目的:我が国における,キュアとケアの融合に関する看護実践の内的構造を明らかにすること.
方法:看護師として役割を拡大しキュアを含む実践を行っている専門看護師を対象に半構成面接を実施し,得られたデータを修正版グラウンデッドセオリー・アプローチにて分析した.
結果:12名の専門看護師に対する面接から10のカテゴリーが得られ,それらの持つ性質ごとに分類した結果,キュアとケアの融合に動き出すきっかけとなる「動因」,キュアとケアを融合した看護実践を支えていく「支軸」,キュアとケアの融合を進める「中核要素」,キュアとケアを融合した看護実践により起こる「効果」の4つの側面から成るケアとキュアの融合の内的構造が明らかとなった.
結論:看護師がキュアの領域に役割を拡大したことにより,キュアを看護の視点で見つめケアと合わさることで,従来とは異なる治療や療養生活の形を生み出していた.以上の結果より,ケアとキュアの融合の内的構造が示された.

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© 2015 公益社団法人日本看護科学学会
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