日本看護科学会誌
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病院における看護師の組織市民行動
岩井 詠美 辻本 朋美井上 智子
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2015 年 35 巻 p. 111-117

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抄録

目的:病院に勤務する看護師による組織市民行動の実態を調査し,看護師に特徴的な組織市民行動を明らかにする.
方法:2013年2月,近隣に位置する4つの公的病院の看護師1,003名を対象に自記式質問調査を行った.
結果:有効回答数は763名(76.1%)であった.『スタッフ支援』について,4項目中2項目において「時々した」「よくした」を合わせて90%を超えた.一方,『ロイヤリティへの貢献』の全3項目において「全くしなかった」「あまりしなかった」を合わせて50%以上を占めた.組織市民行動の実施の程度の因子分析(n=409)では,質向上に関する行動,環境整備,指導,協力,ケアの提供に関する行動の5因子が抽出された.抽出された因子の実施状況の差をみたところ,5因子で有意差が見られ,質向上に関する行動が最も低く,協力が最も高かった.
結論:看護師は,スタッフなど個人に向けた組織市民行動をよく行い,組織に向けた組織市民行動をあまり行っていない.看護師の組織市民行動において,協力など,一般的に組織市民行動とみなされている行動のほか,質向上に関する行動や指導など,看護師に特徴的な組織市民行動がみられた.

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© 2015 公益社団法人日本看護科学学会
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