日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
原著
褥瘡アセスメントツール開発に向けた基礎的研究
―生体高分子マーカーの活用を目指して―
新井 直子米田 雅彦
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2016 年 36 巻 p. 138-146

詳細
抄録

目的:生体高分子の褥瘡創部アセスメントへの活用を目指し,褥瘡の浸出液中のmatrix metalloprotease-9(MMP-9)およびbone morphogenetic protein-6(BMP-6)の検出量と,褥瘡創部のDESIGN-Rの各項目の評価との関連を明らかにする.

方法:褥瘡創面から非侵襲的に採取した,創傷液内MMP-9とBMP-6のタンパク質検出量とDESIGN-Rの各項目の評価得点間の相関および,差について検討した.

結果:MMP-9の量と創底の深さ,滲出液,肉芽組織の項目,BMP-6の量と創縁のポケットの項目で相関を認め,重症度別比較では,創底部の深さの項目及び創縁部のポケットの項目はそれぞれの生体分子の検出量による軽度・重度の判断が可能であることが示唆された.

結論:MMP-9およびBMP-6は褥瘡創部の状態を客観的に判断するために有効な高分子マーカーであり,DESIGN-Rの評価および重症度を客観的にアセスメントするツールとしても活用が可能である.

著者関連情報
© 2016 公益社団法人日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top