日本看護科学会誌
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原著
乳幼児を養育する母親のしつけと虐待の境界の様相
細坂 泰子茅島 江子
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キーワード: しつけ, 虐待, 境界, 育児, 母親
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2017 年 37 巻 p. 1-9

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抄録

目的:乳幼児を養育する母親のしつけと虐待の境界の様相を明らかにする.

方法:母親26名にしつけと虐待の境界と思われた体験を中心に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて質的に分析した.

結果:しつけと虐待の境界に関連する様相として【母親が感情的になると無意識に押し付けてしまう子どもへのパワー】,【子どもの属性で異なるしつけ】が抽出された.その他に【しつけに対する他者評価の優位性】,【理想の母親像や母親としての責任感から蓄積する疲弊】,【周囲の支援や母親自身の力によって変化する心の余裕】が示された.

結論:しつけと虐待の境界の様相では,感情優位となった時に子どもへのパワーが生じること,境界は子どもの属性で異なることが明らかになった.母親は他者評価を重視し,理想や責任感から疲弊していた.また母親の余裕はサポートや母親自身の力によって左右された.感情のコントロール法や知識の提供,母親への評価的サポート,コミュニティ拡大への支援,有効な社会資源の提供が示唆された.

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