日本看護科学会誌
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原著
特定妊婦に対する保健師の支援プロセス
―妊娠から子育てへの継続したかかわり―
黒川 恵子入江 安子
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キーワード: 保健師, 特定妊婦
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2017 年 37 巻 p. 114-122

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抄録

目的:保健師における特定妊婦への妊娠期から出産後の子どもの養育支援を含む,一連の支援プロセスを明らかにする.

方法:母子保健5年以上の経験で,同一特定妊婦の妊娠期と出産後に2回以上かかわり,一連の保健師活動を自ら語ることができる保健師11名を対象に半構成的インタビューを行った.分析は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた.

結果と結論:特定妊(産)婦への保健師による支援プロセスは『子どもへの愛着を基に生活する能力の見極め』であった.このプロセスは【妊婦とのつながりづくり】【妊(産)婦の甘えられる居場所探し】【妊(産)婦の生活の見極め】【閉ざされないサポートづくり】【安全のためのネットづくり】で構成された.保健師は脆弱性を抱える特定妊(産)婦の主体性を育てるために,身近な人の潜在的力を活用しながら子どもの安全確認を関係機関に外在化し,特定妊(産)婦の内面に働きかけることが重要である.

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© 2017 公益社団法人日本看護科学学会
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