日本看護科学会誌
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原著
妊婦が自らに合ったつわり軽減方法を見出すセルフケア行動の向上を目指した看護援助プログラムによるセルフケア能力及びつわりへの効果検証
岩國 亜紀子
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2017 年 37 巻 p. 353-363

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Abstract

目的:効果的なつわり軽減方法は妊婦により異なる.そこで,妊婦が自らに合ったつわり軽減方法を見出すセルフケア行動の向上を目指した2週間看護援助プログラムを提供し,準実験研究によりセルフケア能力(ESCA35)やつわり(INVR)への効果を測定した.

方法:概念枠組みはOremセルフケア不足看護理論を基盤に作成した.介入群には三輪の省察的実践論を基盤としたプログラム(対面式介入3回,電話訪問2回,自己記録)を提供した.

結果:介入群45名,対照群67名を分析した.ESCA35総得点,下位尺度得点の変化量は介入群の方が有意に大きく,INVR下位尺度「空嘔吐体験,空嘔吐頻度,つわり全体苦痛」得点は介入群のみ有意に低下していた.両群間では2週間後の得点に有意差はなかった.

結論:本介入にはセルフケア能力を高め,空嘔吐やつわりの苦痛を軽減させる効果の可能性が示唆されたが,今後さらなる検討が必要である.

Ⅰ. 研究背景

妊婦は,つわりがあることで妊娠や胎児を実感できると感じており(熊倉ら,1993O’Brien et al., 2002),つわりは意味ある体験と捉えられている.一方で,嘔気や空嘔吐により身体健康度QOLは有意に低下し(Kugahara & Ohashi, 2006),また82.8%の妊婦の日常生活には影響が見られており(O’Brien et al., 1992),つわりが軽減しQOLが改善することも同時に求められている.

つわりの軽減を目的とした対処法には,生姜摂取,ビタミンB6摂取,内関刺激,ミントやレモンオイル芳香などがある.これらの中には効果があると示されている研究もあるが,システマティックレビューにおいて,サンプルサイズや評価指標など研究手法の問題からつわりへの効果は十分明らかでないと述べられている(Matthews et al., 2015).研究的に効果が明らかな対処法がない中,つわりを体験する妊婦がどのような対処法を重要と捉えているかをみると,食事・生活行動の調整,気分転換などが挙げられている(Chandra et al., 2003).これらの中には,「乾燥食物の摂取」と「水分の多いものの摂取」のように相反するように見られる対処法もある.これより妊婦が重要と捉える対処法はいくつかあるもののそれは妊婦によって異なり,一定の対処法を一律に適応するのではなく妊婦それぞれに合った対処法を見出すことが有用と考えられる.

そこで,妊婦がどのように対処法を見出しているのかをみると,妊婦は他の体験者や医療者からいくつかの対処法を聞き,それらを試しその反応を無意識に見極める中で自らに合った対処法を見出している(岩國,2016).これより,いくつかの対処法を試すことが自らに合ったつわり軽減方法を見出すために重要なセルフケア行動であり,このようなセルフケア行動を支える看護援助を提供することで,セルフケア行動やセルフケア能力,更につわり,QOL,精神的健康状態などの改善につながる可能性がある.

Ⅱ. 研究目的及び仮説

本研究の目的は,つわりを体験する妊婦に,自らに合ったつわり軽減方法を見出すセルフケア行動の向上を目指した看護援助プログラムを提供し,セルフケア能力及びつわりへの効果を測定することであった.本研究では,下記3つの仮説を検証した.

【仮説1】介入群は対照群に比べ,セルフケア能力の得点が有意に向上する.

【仮説2】介入群は対照群に比べ,つわりの得点が有意に低下する.

【仮説3】セルフケア能力の得点の変化量とつわりの得点の変化量には有意な相関がある

Ⅲ. 概念枠組み

1. 概念枠組み

本研究の概念枠組みは,Oremのセルフケア不足看護理論(Self-care deficit nursing theory; SCDNT)を基盤に先行文献等を踏まえて作成した(図1).SCDNTでは,人はセルフケア・デマンドに応じたセルフケア・エージェンシーを有することで,自分自身に対して自分で持続的に貢献すること(セルフケア)ができるものの,セルフケア制限やセルフケア不足によってそれができない状況では他者からのケアが必要と位置づけられている(Orem, 2001/2005).つわりを体験する妊婦の中には,知識,サポート,エネルギー不足等により自らに合ったつわり軽減方法を見出すセルフケア行動が十分行えていないものもおり(岩國,2016),これらはセルフケア不足につながるセルフケア制限と考えられる.そこで本研究では,自らに合ったつわり軽減方法を見出すセルフケア行動が行えるよう,その向上を目指した看護援助プログラム(以下,本介入)を提供し,セルフケア能力及びつわりへの効果を測定することとしてSCDNTを基盤とした概念枠組みを設定した.

図1

つわりを体験する妊婦のセルフケアに関する概念枠組み

2. 操作的定義

セルフケア行動:自らのつわりがマシになると思える方法を見出すために,母児への安全性とつわり軽減の有効性が考えられる対処法を試す行為

Ⅳ. 研究方法

1. 研究デザイン

本研究デザインは,通院する医療施設で提供されるケアに加えて本介入を受ける介入群と,通院する医療施設で提供されるケアのみを受ける対照群の2群を比較する準実験研究とした.対照群が介入群と情報を共有して本介入の影響を受けないよう,対照群のデータ収集終了後に介入群のデータ収集を行った.

2. 研究協力者

研究対象者は,「①つわりによる嘔気,嘔吐が見られ妊娠悪阻には至っていない,②妊娠12週未満,③胎児心拍が認められる,④合併症や切迫流産兆候等がない,⑤日本語での読み書きが可能な日本人」の要件に該当する妊婦とし,研究協力への同意が得られたものを研究協力者とした.必要標本数は,助産師の面接による妊婦のセルフケア行動への効果に関する研究(眞鍋・松田,2006)の効果サイズ0.59(26週における「異常の予防」セルフケア実施状況)を参考に,独立2群の母平均値の差のt検定を想定して,セルフケア行動の効果サイズ0.60,有意水準5%,検出力80%とし,各群44名と設定した.セルフケア能力やつわりの効果サイズもこれと同程度と想定した.

調査期間は,平成26年3月~平成27年5月とした.研究協力の同意が得られた関西の第二次医療施設3施設にて妊婦健診を受ける研究対象者には,産科外来看護職を通して研究案内文を配布して貰い,研究に興味を示した場合は研究者の待機場所に案内して貰った.研究説明や研究依頼は,研究者が直接行った.対照群については,必要標本数44名の2週間後調査が終了するまで研究依頼を継続し,最終的に2週間後調査を終了した対照群は72名となった.対照群72名の2週間後調査が終了した時点で介入群の研究依頼を開始した.

3. 介入方法(看護援助プログラム)

介入群に提供した本介入は,三輪の省察的実践論(三輪,2009)を基盤に,先行文献を踏まえて開発した.省察的実践論は,人の無意識,直観的なふるまいは振り返る(省察)ことで知として生成されると述べるSchon(1983/2007)に基づいている.妊婦は,いくつかの対処法を試しその反応を無意識に見極める中で自らに合った対処法を見出している(岩國,2016)ことから,妊婦が対処法を試した経験を意図的に振り返り積み重ねることが自らに合った対処法を見出すセルフケア行動の向上につながると考えた.そこで,実践知や暗黙知を明確化するプロセスを示した省察的実践論に基づき,妊婦が経験を意図的に振り返り自らに合ったつわり軽減方法を見出すことを支援する本介入を開発した.

本介入期間は2週間であり,学習支援者(研究者)と共に省察する方法(対面式介入3回)と,学習者(妊婦)自身で省察する方法(2週間の自己記録,省察を動機付ける電話訪問2回)が含まれている.本介入は,「省察的実践論の展開のポイント」に基づいて構成した(表1).【体験を引き出す】では,どのようなつわりを体験しているのか,意図的であれ無意識であれどのように行動し,どのようにつわりが変動しているのかなどを研究者が問いかけ,妊婦の身体感覚と認知がつながり,これまで無意識に行っていた有効な対処を妊婦が意図的に行えるよう支援した.また,妊婦がこれまで知らなかった新たな対処法を知り試すことが出来るよう,【安全で有効と考えられる対処法を伝える】,【安全で有効と考えられる対処法を体験する機会を作る】,【他者の支援を得る方法を伝える】を行った.【母児の経過を保証する】では,研究者が査定した上で母児の健康状態に問題ないこと,セルフケア行動がとれていること,行っている対処法が安全で有用な可能性が高いことなどを伝え,妊婦及び胎児の経過を保証しながら妊婦を否定せず選択を後押しした.【妊婦に合ったつわり軽減方法を共に考える】では,妊婦の思いを引き出しながら妊婦に合ったつわり軽減方法を共に考え,妊婦が試してみる対処法を選択出来るよう支援した.尚,安全で有効と考えられる対処法は,先行研究から抽出した母児への安全性とつわり軽減の有効性が考えられる対処法であり,「食べやすい/飲みやすい食品を摂る」など食事を調整する対処法5項目,「休む時間を増やす」など生活行動を調整する対処法15項目,「生姜摂取」など症状の機序に働きかける対処法8項目とした.本介入は,筆者が実施した.

表1 「省察的実践論の展開のポイント」に沿った看護援助プログラム内容
展開のポイント 看護援助プログラム
項目 具体的内容
実態を把握する 体験を引き出す 「どのようなつわりを体験しているか(症状,生活環境,役割行動,サポート等)」を問いかける.
課題を設定する 「どのようなことを望んでいるか(課題,望み)」,「どのようなことを知りたいか(自らに必要な知識・技術・価値観など)」を問いかける.
実践知・暗黙知を明確化し表現する 「つわりを体験している中,どのように行動しどのようにつわりが変動しているか(意図的及び無意識的な対応とその反応)」を問いかけ,既に行っている無意識的な対処を意図的に行えるよう支援する.
意識変容の学習プロセスを展開する 「つわりがあることや,今の状態,生活をどのように捉えているか(体験の意味付け,喜びや罪悪感など価値)」を問いかける.
安全で有効と考えられる対処法を伝える つわりの概要,自らに合ったつわり軽減方法を見出す必要性,母児への安全性とつわり軽減の有効性が考えられる対処法28項目などを掲載したパンフレットを示しながらつわり軽減方法を伝える.
安全で有効と考えられる対処法を体験する機会を作る 妊婦の希望に合わせて,その場ですぐに体験できるミント芳香,腹式呼吸,内関指圧などの実施方法を伝え,妊婦が正確に出来ていることを確認する.
他者の支援を得る方法を伝える つわりを体験する妊婦のために家族等ができること,利用できる社会資源などを掲載したパンフレットを示しながら,他者に支援を依頼する方法を伝える.
自己決定型学習のプロセスを展開する 母児の経過を保証する 母児の健康状態(妊娠悪阻や切迫流産等の可能性),セルフケア能力・行動,妊婦が行っている対処法の安全性や有用性を見極めた結果などを伝え,妊婦及び胎児の経過を保証しながら,妊婦を否定せず選択を後押しする.
妊婦に合ったつわり軽減方法を共に考える 妊婦の思いを引き出しながら妊婦に合ったつわり軽減方法を共に考え,妊婦が試してみる対処法を選択出来るよう支援する.
学習をふり返り評価する 体験を引き出す 妊婦が自らの経験を意図的に振り返れるよう,「自らについてどのようなことに気付いたのか(状態,課題,価値観など)」,「どのような思いから,どのような対処法を試し続けようと思うか」を問いかける.

4. 評価指標

初回(ベースライン)及び2週間後に質問紙調査を行い,primary outcomeであるセルフケア能力の程度及び,secondary outcomeであるつわりの程度を測定した.セルフケア能力の程度は,Riesch & Hauck(1988)が作成したThe Exercise of Self-Care Agency 35項目(ESCA35)を用いて測定した.これは,43項目から構成されるThe Exercise of Self-Care Agency(ESCA43; Kearney & Fleischer., 1979)の因子分析により,4因子(自己概念,先導と責任,知識と情報探索,受動性)35項目に洗練されたものである.得点範囲は0~140点であり,点数が高いほどセルフケア能力の程度が高いことを意味する.ESCA35は,妊婦を含む対象における妥当性(Riesch & Hauck, 1988)や,信頼性(Callaghan, 2003)が高い.ESCA35の日本語版は,Yamashitaの許可を得た上で,Yamashita(1998)が逆翻訳により作成した日本語版ESCA43から,ESCA35を構成する35項目を筆者が抽出して用いた.項目は,1年以内につわりを体験した女性6名を対象に表面妥当性を検証した.本研究協力者におけるCronbach’s α = 0.890であり信頼性が高いものであった.

つわりの程度は,Rhodes & McDaniel(1999)が作成したIndex of Nausea, Vomiting, and Retching(INVR)を用いて測定した.INVRは,嘔気(時間,回数,程度),嘔吐(量,回数,程度),空嘔吐(回数,程度)の8項目を測定する尺度である.得点範囲は0~32点であり,点数が高いほどつわりの程度が強いことを意味する.その信頼性や妥当性は高いが(Rhodes & McDaniel, 1999),日本語版INVRは作成されていない.一方,INVRと全く同じ8項目を測定するRhodes Index of Nausea and Vomiting Form 2(INV-2)(Rhodes et al., 1986)は,日本語版があり(Arakawa, 1997),つわりを体験する日本人妊婦の信頼性や妥当性も高い(Kugahara & Ohashi, 2006).INV-2はINVRの原型であり,INV-2の表現方法を回答しやすいよう整えたものがINVRである.そこで,本研究では日本語版INV-2の表現方法をINVRと同様に筆者が整えて用いた.項目は,修士号を有し英語が堪能な,日本人母性看護研究者2名と日本人つわり体験者1名による逆翻訳を行い,1年以内につわりを体験した女性6名を対象に表面妥当性を検証した.本研究協力者におけるCronbach’s α = 0.823であり信頼性は高かった.

加えて,ベースラインでの研究協力者の年齢,妊娠週数,妊娠分娩歴,既往歴,職業,家族構成,最終学歴,非妊時体重,現在体重を調査した.

5. 分析方法

両群間の「ベースラインから2週間後までの得点の変化量」,「2週間後の得点」の差は正規性の有無によりstudent-t検定又はMann-Whitney検定を行った.群別の「ベースラインと2週間後の得点の差」は正規性の有無によりpaired-t検定またはWilcoxon符号付順位検定を行った.加えて,両群間の「ESCA35下位尺度得点の変化量とINVR下位尺度得点の変化量の相関」はSpearman順位相関係数分析を行った.ベースラインにおける研究協力者の特性は,student-t検定またはχ2検定を行った.IBM SPSS Statistics ver. 22.0を用い,有意水準は両側5%で判定した.

6. 倫理的配慮

研究協力者には,研究の趣旨に加えて,①研究協力や途中辞退は自由意思であり,②データは本研究以外に使用せず匿名性を維持し管理すること等を,書面を用いて説明し書面による同意を得た.本研究の実施にあたり兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所研究倫理委員会の承認を得た上で(承認日平成26年2月13日),研究協力施設から求められた場合にはその研究協力施設における倫理審査の承認も得て実施した.

Ⅴ. 研究結果

1. 調査概要

介入群は,研究協力者の要件に該当する妊婦251名の内,58名が調査を開始し,45名が調査を終了した.開始後の脱落理由は,対象要件から外れた10名,身体的理由1名,家庭の都合1名,2週間後調査への回答なし1名であった.対照群は,研究協力者の要件に該当する妊婦125名の内,96名が調査を開始し,72名が調査を終了した.開始後の脱落理由は,対象要件から外れた16名,2週間後調査への回答なし8名であった.両群の調査終了者の内,5つ以上無回答があったものを分析対象外とし,介入群45名(研究協力者の77.6%),対照群67名(研究協力者の69.8%)を分析した.

2. ベースラインにおける研究協力者の特性

研究協力者の年齢は介入群31.6 ± 4.7歳,対照群32.8 ± 4.7歳であり,妊娠週数は介入群8.9 ± 1.3週,対照群9.1 ± 1.6週であった(表2).経妊婦は介入群31名(68.9%),対照群44名(65.7%),職業を有するものは介入群26名(57.8%),対照群41名(61.2%)であり,両群共に経妊婦,有職者が過半数を占めていた.いずれの項目においても有意差は見られなかった.

表2 ベースラインにおける介入群と対照群の特性に関する比較
介入群n = 45
Mean ± SD/n(%)
対照群n = 67
Mean ± SD/n(%)
t/χ2 P
年齢a 31.6 ± 4.7 32.8 ± 4.7 1.308 .194
妊娠週数a 8.9 ± 1.3 9.1 ± 1.6 0.683 .496
妊娠歴b なし(初妊婦) 14(31.1%) 23(34.3%) 0.126 .723
あり(経妊婦) 31(68.9%) 44(65.7%)
分娩歴b なし(初産婦) 17(37.8%) 32(47.8%) 1.090 .296
あり(経産婦) 28(62.2%) 35(52.2%)
既往歴b なし 33(73.3%) 57(85.1%) 1.698 .192
あり 12(26.7%) 10(14.9%)
職業b なし 19(42.2%) 26(38.8%) 0.131 .718
あり 26(57.8%) 41(61.2%)
家族構成b 夫/パートナー 15(33.3%) 29(43.3%) 3.020 .389
夫/パートナー,子 25(55.6%) 33(49.3%)
夫/パートナー,子,他 3(6.7%) 1(1.5%)
その他 2(4.4%) 4(6.0%)
最終学歴b 高等学校 8(17.8%) 8(11.9%) 1.698 .637
専門学校 11(24.4%) 13(19.4%)
短期大学 10(22.2%) 15(22.4%)
四年制大学・大学院 16(35.6%) 31(46.3%)
非妊時体重a 54.1 ± 9.8 51.7 ± 5.8 –1.460 .149
現在体重a 54.2 ± 10.1 52.1 ± 5.9 –1.215 .229

a: student-t test b: χ2 test

3. 仮説検証

1) 仮説1:介入群は対照群に比べ,セルフケア能力の得点が有意に向上する

ベースラインから2週間後までの得点の変化量を両群間で比較した結果,ESCA35総得点の変化量は,介入群6.72 ± 7.07点,対照群–0.32 ± 7.79点であり,介入群の方が有意に大きかった(P = .000)(表3).下位尺度の得点も,総得点同様にいずれにおいても介入群の方が有意に大きく(P = .000, P = .015, P = .035, P = .012),介入群の方がセルフケア能力の程度が高まっていることが示された.次に,ベースラインと2週間後の得点の差を群内で比較した結果,介入群では,総得点は有意に上昇していた(P = .000).下位尺度毎に見ても,「自己概念」,「先導と責任」,「受動性」の得点は,総得点同様に有意に上昇していた(P = .001, P = .000).しかし,下位尺度「知識と情報探索」の得点は,上昇しているものの有意ではなかった.対照群では,総得点及び下位尺度得点のいずれにおいても有意差は見られなかった.介入群において,有意ではないものの得点がやや上昇していた下位尺度「知識と情報探索」の得点は,対照群ではやや低下していた.両群間では,ベースラインでの得点に有意差は見られず,ベースラインから2週間後までの得点の変化量は介入群の方が有意に大きかったが,両群間の2週間後の得点に有意差は見られなかった.

表3 介入群と対照群における,セルフケア能力の得点の比較
ESCA35 時期 介入群 対照群 群内比較a 群間比較b
n Mean SD n Mean SD 介入群 対照群 ベースライン 2週間後
総得点 ベースライン 43 83.00 13.84 66 87.80 13.81 t = 6.223 t = 0.332 t = 1.773 t = 0.798
2週間後 89.72 13.27 87.49 14.91 P = .000§ P = .741 P = .079 P = .426
変化量 6.72 7.07 –0.32 7.79 t = 4.775 P = .000§
自己概念 ベースライン 44 30.86 5.87 67 32.84 4.73 t = 3.583 t = 1.126 t = 1.866 t = 0.182
2週間後 32.66 5.12 32.48 5.14 P = .001 P = .264 P = .066 P = .856
変化量 1.80 3.30 –0.36 2.60 t = 3.815 P = .000§
先導と責任 ベースライン 43 27.37 5.38 66 28.92 5.92 t = 4.006 t = 0.745 t = 1.387 t = 0.412
2週間後 29.79 4.98 29.32 6.36 P = .000§ P = .459 P = .168 P = .681
変化量 2.42 3.93 0.39 4.30 t = 2.479 P = .015*
知識と情報探索 ベースライン 44 13.07 2.90 67 13.42 2.46 t = 1.693 t = 1.121 t = 0.682 t = 0.961
2週間後 13.68 2.72 13.16 2.82 P = .098 P = .266 P = .497 P = .339
変化量 0.61 2.38 –0.25 1.85 t = 2.141 P = .035*
受動性 ベースライン 44 12.09 3.44 67 12.73 3.87 t = 4.128 t = 0.038 t = 0.890 t = 1.073
2週間後 13.55 3.56 12.75 4.23 P = .000§ P = .970 P = .375 P = .286
変化量 1.46 2.32 0.02 3.24 t = 2.543 P = .012*

a: paired-t test b: student-t test *: P < .05 †: P < .01 §: P < .001

2) 仮説2:介入群は対照群に比べ,つわりの得点が有意に低下する

ベースラインから2週間後までの得点の変化量を両群間で比較した結果,INVRの得点に有意差は見られなかった(表4).次に,ベースラインと2週間後の得点の差を群内で比較した結果,介入群では,総得点は有意に低下し(P = .000),つわりの程度が軽減していることが示された.下位尺度毎に見ると,「空嘔吐体験」,「空嘔吐頻度」,「つわり全体苦痛」の得点も有意に低下していた(P = .029, P = .019, P = .012).対照群でも,総得点は有意に低下していた(P = .004).しかし,下位尺度毎に見ると,介入群で有意な低下が見られた「空嘔吐体験」,「空嘔吐頻度」,「つわり全体苦痛」の得点に有意な低下は見られなかった.「嘔気体験」,「嘔気頻度」,「嘔気苦痛」,「つわり全体頻度」の得点は両群共に有意に低下し(P = .000, P = .001, P = .019),「嘔吐体験」,「嘔吐頻度」,「嘔吐苦痛」,「空嘔吐苦痛」の得点は両群共に有意に低下しなかった.尚,両群間では,ベースラインでの得点に有意差は見られず,2週間後には「空嘔吐体験」,「空嘔吐頻度」,「つわり全体苦痛」の得点が介入群のみ有意に低下していたが,両群間の2週間後の得点に有意差は見られなかった.

表4 介入群と対照群における,つわりの得点の比較
INVR 時期 介入群 対照群 群内比較a 群間比較b
n Mean SD n Mean SD 介入群 対照群 ベースライン 2週間後
総得点 ベースライン 45 8.58 4.49 64 7.72 4.43 z = –3.600 z = –2.898 u = 1267.5 u = 1469.5
2週間後 6.38 4.53 6.14 4.74 P = .000§ P = .004 P = .286 P = .925
変化量 –2.20 4.36 –1.58 4.54 u = 1259.0 P = .262
嘔気体験 ベースライン 6.49 2.13 67 6.02 2.57 z = –4.214 z = –3.246 u = 1322.0 u = 1452.5
2週間後 4.73 0.41 4.82 3.07 P = .000§ P = .001 P = .267 P = .742
変化量 –1.76 2.31 –1.19 2.73 u = 1308.5 P = .232
嘔吐体験 ベースライン 0.82 1.76 65 0.71 1.52 z = –0.434 z = –0.594 u = 1425.5 u = 1405.5
2週間後 0.93 1.89 0.55 1.47 P = .664 P = .552 P = .759 P = .374
変化量 0.11 1.84 –0.15 1.90 u = 1430.0 P = .799
空嘔吐体験 ベースライン 1.27 1.81 65 1.05 1.74 z = –2.182 z = –0.790 u = 1392.5 u = 1395.0
2週間後 0.71 1.29 0.89 1.49 P = .029* P = .430 P = .526 P = .507
変化量 –0.56 1.74 –0.15 1.35 u = 1260.5 P = .156
嘔気頻度 ベースライン 4.80 1.84 67 4.51 2.15 z = –4.014 z = –3.238 u = 1358.5 u = 1445.5
2週間後 3.49 2.19 3.57 2.38 P = .000§ P = .001 P = .370 P = .710
変化量 –1.31 1.84 –0.94 2.20 u = 1362.5 P = .382
嘔吐頻度 ベースライン 0.49 1.04 67 0.30 0.82 z = –0.428 z = –0.270 u = 1405.0 u = 1363.0
2週間後 0.53 1.14 0.27 0.85 P = .669 P = .788 P = .341 P = .159
変化量 0.04 1.07 –0.03 1.03 u = 1505.5 P = .986
空嘔吐頻度 ベースライン 0.64 0.96 67 0.52 0.61 z = –2.336 z = –1.176 u = 1333.5 u = 1482.5
2週間後 0.31 0.56 0.37 0.81 P = .019* P = .240 P = .214 P = .844
変化量 –0.33 0.90 –0.15 0.87 u = 1266.5 P = .072
つわり全体頻度 ベースライン 5.93 2.82 67 5.33 2.91 z = –3.762 z = –3.254 u = 1309.0 u = 1488.0
2週間後 4.33 2.94 4.21 3.07 P = .000§ P = .001 P = .235 P = .907
変化量 –1.60 2.79 –1.12 2.82 u = 1379.0 P = .441
嘔気苦痛 ベースライン 1.69 0.63 67 1.51 0.68 z = –3.522 z = –2.337 u = 1265.0 u = 1501.0
2週間後 1.24 0.77 1.25 0.82 P = .000§ P = .019* P = .108 P = .967
変化量 –0.44 0.72 –0.25 0.86 u = 1277.5 P = .131
嘔吐苦痛 ベースライン 0.33 0.80 65 0.40 0.86 z = –0.728 z = –1.053 u = 1409.5 u = 1410.0
2週間後 0.40 0.78 0.28 0.67 P = .467 P = .292 P = .644 P = .395
変化量 0.07 0.84 –0.12 1.01 u = 1381.5 P = .502
空嘔吐苦痛 ベースライン 0.62 0.94 65 0.54 0.89 z = –1.530 z = –0.033 u = 1436.0 u = 1368.0
2週間後 0.40 0.78 0.51 0.81 P = .126 P = .974 P = .730 P = .382
変化量 –0.22 0.93 –0.03 0.83 u = 1302.5 P = .250
つわり全体苦痛 ベースライン 2.64 1.98 64 2.44 2.11 z = –2.506 z = –1.244 u = 1266.0 u = 1478.5
2週間後 2.04 1.85 2.02 1.86 P = .012* P = .213 P = .264 P = .968
変化量 –0.60 1.84 –0.42 2.28 u = 1220.5 P = .164

a: Wilcoxon signed rank test b: Mann-Whitney test *: P < .05 †: P < .01 §: P < .001

3) 仮説3:セルフケア能力の得点の変化量とつわりの得点の変化量には有意な相関がある

ESCA35下位尺度得点の変化量とINVR下位尺度得点の変化量の相関結果によると,介入群では,ESCA35の下位尺度「先導と責任」の得点の変化量は,INVRの下位尺度「嘔気体験」の得点の変化量(rs = .344, P = .021),「嘔気頻度」の得点の変化量(rs = .374, P = .011),「つわり全体頻度」の得点の変化量(rs = .326, P = .029)との間に有意な正の相関が見られた(表5).更に,ESCA35の下位尺度「知識と情報探索」の得点の変化量は,INVRの下位尺度「嘔気体験」の得点の変化量(rs = .347, P = .019)や「嘔気頻度」の得点の変化量(rs = .343, P = .021)との間に有意な正の相関が見られた.一方,対照群において有意な相関は見られなかった.

表5 介入群と対照群における,セルフケア能力の得点の変化量とつわりの得点の変化量との相関
INVR 介入群n = 45 対照群n = 67
ESCA35 ESCA35
自己概念 先導と責任 知識と情報探索 受動性 自己概念 先導と責任 知識と情報探索 受動性
嘔気体験 rs = –.062 rs = .344 rs = .347 rs = –.011 rs = –.004 rs = –.022 rs = –.233 rs = –.102
P = .688 P = .021* P = .019* P = .940 P = .971 P = .858 P = .058 P = .411
嘔気頻度 rs = –.049 rs = .374 rs = .343 rs = .033 rs = –.021 rs = –.038 rs = –.229 rs = –.139
P = .752 P = .011* P = .021* P = .831 P = .866 P = .757 P = .062 P = .261
つわり全体頻度 rs = –.015 rs = .326 rs = .283 rs = .066 rs = .064 rs = –.014 rs = –.178 rs = –.139
P = .922 P = .029* P = .059 P = .668 P = .609 P = .912 P = .151 P = .261

INVR下位尺度はSpearman順位相関係数分析で有意差があった項目のみ表示 *: P < .05

Ⅵ. 考察

1. セルフケア能力への効果

ベースラインから2週間後までの得点の変化量は,ESCA35の総得点及び全ての下位尺度得点で介入群の方が有意に大きく,2週間後には総得点及び下位尺度「自己概念,先導と責任,受動性」の得点が介入群のみ有意に上昇していた.妊娠32~40週の妊婦等におけるESCA35の下位尺度得点(自己概念32.2 ± 4.4点,先導と責任33.3 ± 5.7点,知識と情報探索20.9 ± 3.6点,受動性12.7 ± 4.9点)と比較すると(Riesch & Hauck, 1988),本研究協力者は,「先導と責任」や「知識と情報探索」の得点が低いという特徴があった.「先導と責任」は,特定の状況に対する動機づけや能動性などの能力を示すものである(Riesch & Hauck, 1988).本研究協力者は妊娠後期の妊婦等よりも動機づけや能動性が低い状態であったが,本介入を通してつわり軽減方法を試しその経験を意図的に振り返り積み重ねるよう動機づけられることで,能動的に行動する能力が有意に高まったのではないかと考えられる.次に「知識と情報探索」は,学習への興味,情報探索などの能力を示すものである(Riesch & Hauck, 1988).本研究協力者は妊娠後期の妊婦等よりも知識や情報を探索する動機づけが低い状態であり,2週間後の得点は介入群ではやや増加し対照群ではやや低下していた.介入群において2週間後の得点が有意に増加しなかった背景として,本研究協力者は妊娠後期の妊婦等より低いものの,本介入を受ける前から既につわりや妊娠に関する学習への興味を抱き家族や知人などの体験から情報を探索していた可能性があると考えられる.また,妊婦の情報探索行動は自己効力感と有意に関連していることから(Shieh et al., 2010),対照群は対処法に関する知識や情報が得られなかった経験から自己効力感と共に情報探索行動が一層低下した可能性が考えられる.尚,両群間では,ベースラインでの得点に有意差は見られず,ベースラインから2週間後までの得点の変化量は介入群の方が有意に大きかったが,両群間の2週間後の得点に有意差は見られなかった.これは,標本数が不足していたためと考えられる.

2. つわりへの効果

ベースラインと2週間後の得点の差を群内で比較した結果,INVRの下位尺度得点の内,嘔気に関する嘔気体験,嘔気頻度,嘔気苦痛の得点は両群共に有意に低下し,空嘔吐に関する空嘔吐体験,空嘔吐頻度の得点は介入群のみ有意に低下していた.嘔吐に関する嘔吐体験,嘔吐頻度,嘔吐苦痛の得点は両群共に有意に低下していなかった.このように,症状の種類により本介入の効果は異なっていた.つわり症状の中でも嘔気や空嘔吐の程度は,妊娠初期の時期にも妊娠経過と共に有意に減少するものの,嘔吐の程度は妊娠時期による有意な変化は見られないと報告されている(Kugahara & Ohashi, 2006).このように妊娠初期においても妊娠経過と共に自然に軽減する可能性のある空嘔吐は,つわりが見られる前又は強まる前にいくつかの対処を試しそれを続けることで有意に軽減したのではないかと考えられる.一方,妊娠初期において妊娠経過と共に自然に軽減しない嘔吐は,セルフケア行動を高める支援では軽減につながらず,生体に働きかける別のアプローチが必要となる可能性が考えられる.

つわり全体苦痛得点は,介入群でのみ有意に低下しており,本介入には妊婦のつわりの苦痛を有意に軽減させる可能性があることを示している.つわり全体頻度得点で示されるつわりの持続時間や回数は,2週間後には両群共に有意に軽減していたが,つわり全体の苦痛が有意に軽減したのは介入群のみであった.つわりを体験する妊婦は,症状の悪化によって自己や家族へのコントロール感を失い,‘妊婦の全て’が症状に支配されているような感覚を抱いていると報告されている(O’Brien et al., 2002).コントロール感を失うと人は精神的安寧が脅かされるものの(Thompson & Spacapan, 1991),自らが主導権をもって現状を調整するセルフケアはコントロール感の維持につながる(雄西・大石,2002).これらより,つわりを体験する妊婦の苦痛には,症状の回数や持続時間に伴って変動する苦痛と,つわりをコントロールする術がなくつわりにコントロールされながら生活する苦痛等があり,本介入を受けた妊婦は,本介入を通して自らに合ったつわり軽減方法を見出すためにいくつかの対処法を試すセルフケア行動をとり,つわりへのコントロール感覚を得たことで後者の苦痛が軽減した可能性があると考えられる.つわりは,妊娠22週には9割の妊婦で消失すると報告されているように(Lacroix et al., 2000),時期が来れば自然に消失するものである.言い換えれば,何らかの対処によってつわりを軽減させることは出来るものの,時期がくるまではつわりを消失させることは困難である.そのため,妊婦は何らかの対処を続けながらつわりが消失するまでの時期を乗り越えていく必要があるが,消失までの時期を乗り越えていくプロセスにある妊婦にとって,つわりへのコントロール感を得てつわりの苦痛が軽減することは大きな意味のある効果と考えられる.尚,両群間では,ベースラインでの得点に有意差は見られず,2週間後には「空嘔吐体験」,「空嘔吐頻度」,「つわり全体苦痛」の得点が介入群のみ有意に低下していたが,両群間の2週間後の得点に有意差は見られなかった.これは,標本数が不足していたためと考えられる.

3. セルフケア能力の変化とつわりの変化との関連

介入群では,嘔気・嘔吐・空嘔吐の回数や持続時間,更に嘔気の苦痛が強まることと,妊婦が動機づけられ能動的に行動する能力(ESCA35先導と責任)や,自らの身体や健康に関する学習への興味を抱き情報を探索する能力(ESCA35知識と情報探索)が高まることに有意な関連があったが,対照群ではこのようにつわりが強まることとセルフケア能力が高まることに有意な関連はなかった.コントロール感はセルフケアと相互に作用することから(雄西・大石,2002),通常つわりが強まりそれにコントロールされると受動的な行動をとるようになると考えられる.しかし,介入群の結果は,嘔気などが強まると何らかの対処を行おうと一層動機づけられ能動的に行動する能力が高まっていることを示していると考えられる.つわりの程度は日々変動しコントロールが難しいものであるが,このようにつわりが強まったとしてもその改善に向けて能動的に対処しようとする能力が高まることは,つわりが消失するまでの時期を乗り越えていくプロセスにある妊婦にとって大きな意味のある効果と考えられる.

Ⅶ. 本研究の限界と今後の展望

本介入はセルフケア能力を高めつわりの空嘔吐や苦痛を軽減させる可能性が示唆されたが,効果を測定するには標本数が不十分であった可能性がある.また,本研究で用いたESCA35やINVRは信頼性や妥当性の高い尺度であったが,日本人妊婦における妥当性は表面妥当性の検証に留まったため,今後妥当性の検証が必要である.更に,本介入にはつわりを体験する妊婦のセルフケア行動やQOL,精神的健康状態などを改善させる可能性も示唆されるが,実際の効果については今後検討が必要である.

本介入は医療機関で既に行われている妊婦への保健指導の中で行い得るものであり,臨床への汎用性が高いと考えられる.しかし,妊娠初期に個別指導を受けている妊婦は極めて少ないため(新實ら,1999),先ずは看護職がつわりを体験する妊婦への看護援助方法を学べる学習の場や,妊娠初期の妊婦に看護ケアを提供するためのシステムを整えることが有用と考える.

Ⅷ. 結論

妊婦が自らに合ったつわり軽減方法を見出すセルフケア行動の向上を目指した2週間看護援助プログラムを提供した結果,ESCA35得点は介入群の方が有意に増加し,INVR下位尺度「空嘔吐体験,空嘔吐頻度,つわり全体苦痛」得点は介入群のみ有意に低下していたが,両群間では2週間後の得点に有意差は見られなかった.本介入はセルフケア能力を高め空嘔吐やつわりの苦痛を軽減させる効果の可能性が示唆された.

謝辞:本研究の実施にあたり,ご協力頂きました妊婦の皆様,研究協力施設の皆様,専門的な立場からご指導頂きました主査の兵庫県立大学教授 山本あい子先生,副査の元兵庫県立大学教授 片田範子先生,兵庫県立大学教授 坂下玲子先生,星槎大学大学院教授 三輪建二先生に深謝いたします.本研究は,平成27年度兵庫県立大学大学院看護学研究科に提出した博士論文の一部である.平成28年第36回日本看護科学学会学術集会にて発表したものを加筆,修正した.尚,本研究は平成26~27年度文部科学省科学研究費補助金(研究活動スタート支援,課題番号60514552),公益信託山路ふみ子専門看護教育研究助成基金,大学女性協会神戸支部奨学金を受けたものである.

利益相反:本研究における利益相反は存在しない.

文献
 
© 2017 公益社団法人日本看護科学学会
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