目的:効果的なつわり軽減方法は妊婦により異なる.そこで,妊婦が自らに合ったつわり軽減方法を見出すセルフケア行動の向上を目指した2週間看護援助プログラムを提供し,準実験研究によりセルフケア能力(ESCA35)やつわり(INVR)への効果を測定した.
方法:概念枠組みはOremセルフケア不足看護理論を基盤に作成した.介入群には三輪の省察的実践論を基盤としたプログラム(対面式介入3回,電話訪問2回,自己記録)を提供した.
結果:介入群45名,対照群67名を分析した.ESCA35総得点,下位尺度得点の変化量は介入群の方が有意に大きく,INVR下位尺度「空嘔吐体験,空嘔吐頻度,つわり全体苦痛」得点は介入群のみ有意に低下していた.両群間では2週間後の得点に有意差はなかった.
結論:本介入にはセルフケア能力を高め,空嘔吐やつわりの苦痛を軽減させる効果の可能性が示唆されたが,今後さらなる検討が必要である.