目的:乳幼児期の重症心身障がい児(重症児)を育てる母親がどのように社会との接点を持つのか,そのきっかけやパターンを母親の体験から明らかにする.
方法:6~8歳の重症児の母親9名に出生から幼児期までの育児における母親の心理,地域社会との関係等について半構造的面接を実施し,質的記述的分析を行った.
結果:21カテゴリー,5[大カテゴリー]が抽出された.母親は[重度な障がいの子どもと向きあう]体験を基盤に,[遠い他者に感じる冷ややかな世間]の影響を受けると[思い込みに囚われて行き場がない子育て]を体験し,[顔が見える他者からのエネルギー]によるプラスの影響があると[他者との関わりへと広がっていく自分の世界]という体験をしていた.
結論:乳幼児期の重症児の母親は,子どもの不安定な体調や,他者を冷たく感じる体験から社会との接点をもてない状況となる.社会との接点は,家族や友人のような顔の見える他者からもたらされるパターンと,自ら身近な他者の理解を求めるパターンを認め,母親同士のつながりが重要な役割を担っていた.