2019 年 39 巻 p. 270-277
目的:看護師を対象に,構造的エンパワメントと情動的コミットメント,ワーク・エンゲイジメントの関係を明らかにする.
方法:東北地方のA県ならびに政令指定都市B市内の病院に勤務する看護師を対象に,質問紙調査を行った.
結果:構造的エンパワメントから情動的コミットメントならびにワーク・エンゲイジメントには,それぞれ有意な正のパスがあった.また,構造的エンパワメントからワーク・エンゲイジメントを介した情動的コミットメントには有意な正のパスがあったが,構造的エンパワメントから情動的コミットメントを介したワーク・エンゲイジメントへのパスは有意な関係になかった.
結論:構造的エンパワメントは,看護師の情動的コミットメントならびにワーク・エンゲイジメントを高めることが示唆された.また,看護師における構造的エンパワメントと情動的コミットメント,ワーク・エンゲイジメントの関係には,方向性があることが示唆された.