日本看護科学会誌
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原著
初めて父親になる男性が立ち会い出産後にBirth-Review for Coupleを受けることで得られる父親らしさへの効果
―無作為化比較試験による検討―
松田 佳子
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2019 年 39 巻 p. 326-333

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抄録

目的:初めて父親になる男性が,立ち会い出産後にBirth-Review for Coupleを受けることで得られる父親らしさへの効果を明らかにすること.

方法:立ち会い出産を希望する男性を対象に,無作為に介入群(22名)とコントロール群(23名)に割り付け,2群間比較を行った.介入群へは,出産後3日以内に夫婦一緒に出産の振り返りを行った.調査は,妊娠後期,出産後,産後1か月時に質問紙法を実施し,統計学的に分析した.

結果:二元配置分散分析の結果,父親意識の高まり(F = 10.969, p < 0.001)と子どもの存在から沸き立つ思い(F = 5.848, p = 0.007)に有意差が認められた.またこれらは,出産後および産後1か月ともに介入前より有意に高かった(p < 0.01~0.001).

結論:父親意識の高まりと子どもの存在から沸き立つ思いは,介入によって出産後に高くなることが明らかとなり,産後1か月まで維持されていることが示された.

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© 2019 公益社団法人日本看護科学学会
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