目的:結核に対する潜在的意識を測定する紙筆版結核Implicit Association Test(IAT)を開発する.
方法:看護学生96名と一般学生27名を対象に,信頼性,妥当性を検討した.
結果:看護学生41名と一般学生20名から有効回答を得た.再テスト信頼性における級内相関係数は0.679であった.弁別的妥当性ではIAT値と社会的望ましさ尺度に有意な相関を認めなかった(r = 0.023, p = 0.861).既知集団妥当性では,看護学生と一般学生,感染看護学単位取得の有無の比較でIAT値に有意差を認めず(p = 0.357, p = 0.827),結核の知識とも相関を認めなかった(r = 0.032, p = 0.845).併存妥当性では,感染脆弱意識とIAT値に相関を認めなかった(r = 0.190, p = 0.142).
結論:紙筆版結核IATは一定の信頼性・妥当性を有するが,既知集団妥当性はさらなる検討を要する.