日本看護科学会誌
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原著
妊婦を対象にした災害への備え教育プログラムの効果検証
渡邊 聡子
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2020 年 40 巻 p. 224-234

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抄録

目的:妊婦を対象に災害への備え教育プログラムを提供し,その効果を検証することである.

方法:災害への備えに関する知識を得て,その知識を活用した演習を行い,さらに,自宅で自分たちに必要な備えを実施し,取り組んだ内容を参加者間で共有・情報交換する,この一連のプロセスに妊婦とそのパートナーが参加するという教育プログラムを開発し,自記式質問紙を用いて,本プログラムを受講した介入群21名と,プログラムで使用する冊子のみを受け取った対照群40名の災害への備え行動および知識の変化を比較し効果を評価した.

結果:行動および知識は介入群に有意に増加しており,特に,日ごろには実施率が低い災害時の連絡方法の取り決めなど,家族との調整を要する項目が増加した.

結論:本教育プログラムは,妊婦の災害への備え行動を促進させる効果が示唆された.

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© 2020 公益社団法人日本看護科学学会
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