2021 年 41 巻 p. 513-519
目的:壮年期にある重症心身障害者の母親への将来を見据えた訪問看護師の関わりを明らかにする.
方法:訪問看護師5名に対し,重症心身障害者の母親への関わりについて半構造化面接を実施し質的記述的に分析した.
結果:将来を見据えた訪問看護師の関わりとして,【母親がつくりあげてきた今ある親子の暮らしを尊重する】【子どもの介護を抱え込みつつある母親が人に委ねられる糸口を掴む】【母親が納得できるまで手を差しのべ,時間をかけてそばで支える】【家族の移り変わりに備えて,子どもの療養を支える体制を整える】【年齢を重ねてゆく親子の姿を見極め,機を逃さず踏み込んで支える】の5カテゴリが抽出された.
結論:壮年期にある重症心身障害者の母親への将来を見据えた訪問看護師の関わりは,母親が大切にしてきた親子の暮らしと母親の老いを支え,【年齢を重ねてゆく親子の姿を見極め,機を逃さず踏み込んで支える】支援が重要である.