日本看護科学会誌
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原著
母体胎児集中治療室(MFICU)から産科病棟に転棟したハイリスク妊婦の入院体験
栗谷 美希田淵 紀子
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2022 年 42 巻 p. 321-329

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抄録

目的:MFICUから産科病棟に転棟したハイリスク妊婦の入院体験を明らかにする.

方法:MFICUに入室し産科病棟への転棟を経験した母親9名に半構成的面接を行ない質的記述的に分析した.

結果:MFICUから産科病棟に転棟したハイリスク妊婦の入院体験は,転棟前は【重症な状況に気持ちを整理できず気が休まらない】【カーテン越しに重症な同室妊婦を感じひっそりと過ごす】【看護スタッフに傍で見守られる安心感】【いつかくる転棟を念頭に置く】【病状改善の実感がないまま転棟に向けた感情の揺れ】【新しい環境へ身を置き順応できるかという不安】,転棟後は【看護スタッフを独占しないようにする遠慮】【MFICUと産科病棟の違いによる戸惑いと不安】【妊婦仲間の交流から生まれた仲間意識と支え合い】【看護スタッフとの信頼関係形成による気持ちの安定】で表された.

結論:MFICUから産科病棟への転棟を経験したハイリスク妊婦は,ストレスを増幅する体験をする一方で転棟を契機とし他者と関わることでの肯定的体験をしていた.

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