2022 年 42 巻 p. 330-336
目的:訪問看護師の「寄り添う」を明らかにする.
方法:訪問看護師6名に半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.
結果:訪問看護師の「寄り添う」は,【人と家の雰囲気を捉え共感する】,【人として近づき信頼を深める】,【在宅療養の青写真を共に描き共に成長する】,【本人・家族の覚悟を見通し支える】,【暮らしの中で共に歴史を積み重ねる】,【安心して落ち着く場と日常を保障する】の6カテゴリーと14サブカテゴリーから構成された.
結論:訪問看護師の「寄り添う」は,訪問看護師自身が利用者や家族にとって安心できる存在として認められ,積み重ねてきた信頼関係を基盤に成り立っていた.多様な背景を持つ療養者とその家族との暮らしの中での関わりは,訪問看護師自身の成長の機会にもなり,訪問看護の価値,やりがいや自らの看護観の醸成につながっていることが示された.