2023 年 43 巻 p. 1-10
目的:AYA世代がんサバイバーのセクシュアリティにまつわる経験を明らかにする.
方法:AYA世代でがんを発症し,現在18~39歳の男性5名,女性6名を対象に半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.
結果:男女共に【性や子をもつことの悩みを一人で抱え込む】経験をしていた.男性は【男として受け入れられることへの自信の喪失】によってアイデンティティが揺らぎ【子をもてないかもしれないことでパートナーの将来への負の影響を危惧する】経験をしていた.女性は【外見の変化や後遺症のためにパートナーの反応に受け身になる】経験をしながらも【子をもてないかもしれないと思いながらパートナーとの関係性と子をもつ意味を再考する】に至っていた.
結論:AYA世代がんサバイバーは性や子をもつことの悩みを抱え込み,アイデンティティが揺らぎながらも,子をもつことを含むこれからのパートナーとの関係性や自らの生き方を模索していた.