2023 年 43 巻 p. 63-70
目的:ICU勤務の看護師の睡眠の質と概日リズムの同調因子となる生活行動時刻を調査し,夜間の睡眠の質(睡眠効率:SE)に影響する可能性がある生活行動時刻を把握した.
方法:ICU勤務の看護師22名に5日間(休日,日勤日,夜勤入り日,夜勤明け日,休日)の生活行動調査とその期間の全3回の夜間睡眠状況をActiwatch®で測定した.さらに各夜間睡眠のSE別の2群(SE-good: SE ≧85.0%, SE-poor: SE <85.0%)間で生活行動時刻の比較を行った.
結果:全対象のSE(中央値)は各夜間睡眠で85.0%以上であった.生活行動の比較では,夜勤明け日の夜間睡眠においてSE-goodとSE-poor間の夜勤後の初回食事摂取時刻(p = .017)に差があり,SE-goodは午前,SE-poorは午後に摂取する傾向にあった.
結論:ICU勤務の看護師のSEは概ね85%以上を維持していた.さらに夜勤後の朝食に相当する食事摂取時刻が夜勤明け日のSEに影響する可能性が示唆された.