2023 年 43 巻 p. 612-621
目的:スマートグラスを活用した気管内吸引演習プログラムの開発と評価である.
方法:単群の前後比較による介入研究である.スマートグラスを活用した自己練習を含む演習の効果を,気管内吸引の自己評価(知識・自信),手技の正確性について前後で比較した.終了後,アプリケーションのコンテンツ評価とインタビューを実施した.
結果:看護学科4年生16名が参加した.演習後あるいは自己練習後の群が,対象者の気管内吸引の自己評価(知識・自信)と手技の正確性の項目で高値を示し,有意差が認められた.インタビューの結果,[個別の状況に応じた自己練習]が可能となる一方,[演習内容の拡充][デバイスの改良]の必要性が示され,演習の[必要十分な情報量]は意見が分かれた.
結論:演習プログラムは肯定的な評価が得られた.今後,対照群を設けた実験研究デザインによる演習プログラムの有効性の検証が必要である.