2023 年 43 巻 p. 738-751
目的:診断後2年未満の成人期クローン病患者のセルフケア支援で活用できるアセスメントツールの開発に向け,ツールに含む看護アセスメント項目の妥当性と実用性を検証する.
方法:クローン病患者への看護実践経験のある看護師466名に質問紙を配布して2回のデルファイ調査を実施した.同意率は80%に設定した.
結果:第1回調査は146名,第2回調査は94名の回答があった.[自分の病気・治療・社会資源についての関心と理解],[病気の受け止めとセルフケアの目標],[ライフスタイル・ライフイベントに合わせたセルフケアの実践],[病状に応じたセルフケアの実践],[ストレスの認知と対処],[周囲からのサポート]の視点から成る計56項目を確定させた.
結論:確定した看護アセスメント項目は患者のセルフケア状況を包括的に捉える視点で構成され,本項目を活用することで一貫したアセスメントが可能であることが示唆された.