2023 年 43 巻 p. 788-799
目的:概念分析により臨床における自己調整学習の構造を明らかにする.
方法:42文献を対象にRodgers の概念分析を行った.
結果:属性は構造を示す【3段階の循環するプロセス】,学習プロセスを示す【課題達成に向けた状況分析】【目標設定と方略的計画】【学習機会を臨機応変に活用】【患者ケアに焦点をあてた多様な学習方略の実行】【目標達成状況を内省し目標を洗練する】【専門職としてのアイデンティティの認識】,学習プロセスを支える【メタ認知・動機づけによる学習プロセスの調整】【自分の学習に他者を関与させる】であり,4つの先行要件,3つの帰結を抽出した.
結論:本概念は「臨床における学習機会を臨機応変に活用し,多様な学習方略を用いて目標達成を目指す循環的で継続的な学習プロセスであり,この学習プロセスはメタ認知,動機づけ,他者との相互作用により駆動される」と定義され,臨床での活用可能性が示された.