目的:人生を脅かす疾患や障害と生きる人々の時間軸を含むライフ経験とレジリエンスとの関連を文献から明らかにし,看護実践と研究への示唆を得る.
方法:医学中央雑誌,PubMed,CINAHL,PsycInfoを用いて論文を検索し,結果を抽出して内容を整理した.
結果:計18文献が抽出された.深刻な疾患や障害と生きるライフ経験は,レジリエンスを包含しながら,発症後に崩壊や落ち込みを経験するが時間とともに回復する道筋が示された.レジリエンスは,困難からの回復プロセスや能力,身体・心理社会的アウトカムと直接的・間接的に良好に関連する要因であった.レジリエンスの資源や促進要因は,周囲との良好な人間関係,自己効力感や社会参加が挙げられた.
結論:時間軸を含むライフ経験上の回復や良好なアウトカムと関連するレジリエンスを獲得するための,心理学的介入アプローチと研究蓄積の必要性が示唆された.