2024 年 44 巻 p. 743-752
目的:要介護状態にある高齢者の家族介護者が介護をする生活の中で感じる幸福を明らかにする.
方法:要介護状態にある高齢者の家族介護者に半構造化インタビューを行い質的帰納的に分析した.
結果:家族介護者は,介護をする生活の中で【要介護者と穏やかに暮らす】【要介護者以外の家族が寄り添ってくれる】【介護をする自分にさまざまな専門職が支えてくれる】【介護から解き放たれ自分の時間を過ごす】【介護から離れ仲間と楽しく過ごす】ことに幸福を感じていた.
結論:看護職は,家族介護者の生活や人生の質の向上のために,家族介護者が感じている幸福にも目を向けながら家族介護者の生活特性や心身の状態をアセスメントし,その幸福ができる限りこの先も続くよう要介護者や家族介護者の状況や生活背景に合わせ,情緒的,情報的,評価的サポートを行っていくことが必要である.