日本看護科学会誌
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原著
慢性閉塞性肺疾患療養者に対する訪問看護師のセルフマネジメント教育と困難の実態
―訪問看護師の臨床経験に焦点をあてて―
前田 直宏藤井 仁板山 稔
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2025 年 45 巻 p. 25-38

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抄録

目的:COPD療養者に対する訪問看護師のセルフマネジメント(SM)教育の実施頻度と看護上の課題,他職種との連携頻度,困難に関する実態及び,それらと訪問看護師の臨床経験との関係・特徴を明らかにする.

方法:全国の訪問看護師3,000人を対象に,郵送法による質問紙調査を実施した.分析は基本統計量を算出後,SM教育の実施頻度と看護上の課題,他職種との連携頻度と臨床経験との差をMann–WhitneyのU検定で解析した.困難に関する自由記述は内容分析によりカテゴリーを抽出した.

結果:305人を分析対象とした.SM教育の実施頻度では,息切れの評価に関する指導が最も少なく,呼吸器科病棟経験がない群で有意に少なかった.それに加えて,呼吸器科病棟経験がない群はCOPD療養者への訪問看護の困難を感じやすい特徴があった.

結論:訪問看護師によるSM教育を促進するためには,臨床経験に応じた専門知識の普及と困難感の軽減が求められる.

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