2025 年 45 巻 p. 14-24
目的:本研究の目的は,新人看護師が職場におけるコミュニケーション困難を経験しながらも就業継続の選択に至った径路について明らかにすることである.
方法:新人看護師5名を対象に半構造化面接を実施し,現象学的方法を基盤にテーマを抽出し,複線径路・等至性モデリングを用いてモデル化した.
結果:インタビューより,【先輩看護師に自身の存在価値を示せないことがもどかしく苦しい】,【精一杯の虚勢を張る】,【十分に仕事はできない中で自分が目指す看護を模索する】,【〈看護師〉として成長を勝ち取る】の4つの段階のテーマが抽出された.
結論:新人看護師は先輩とのコミュニケーションに困難を経験しながら,インシデントのような衝撃的な出来事への直面や同期の退職等を契機として,自分の成長や周囲の人間関係,環境の支えを改めて認識し,成長意欲を得て職業継続の選択に至った.この過程は『自己変成』の生起と考えられる.