日本看護科学会誌
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在宅酸素療法患者のQOLの向上をめざしたアセスメント指標の開発
青木 きよ子
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1998 年 18 巻 3 号 p. 45-55

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抄録

本研究の目的は, HOT患者のリハビリテーションプログラム開発のための第一段階としてHOT患者のQOL尺度の信頼性・妥当性を検討し, QOLの関連要因を明らかにする. さらに, これらの関連要因をもとに看護介入のためのアセスメント試案を作成しその有効性を検討することにある.
(1) 本研究で使用したQOL尺度の内容的妥当性は研究者10名の一致率から, 構成概念的妥当性はHOT患者のQOL尺度の因子分析結果において, 信頼性はCronbach α係数から確認された.
(2) HOT患者のQOLの関連要因としては, 「呼吸困難の程度」,「生活動作の自立度」,「ストレス認知」,「重要他者の心理的サポート」の4要因が抽出された. これらの関連要因とQOL尺度得点の高群と低群の2群問で有意差が認められ, 看護介入の必要性が示唆された.
(3) HOT患者における関連要因をもとにしたアセスメント指標(NIA for HOTP)案の弁別力は, NIA for HOTP案得点とQOL尺度得点±1 SDとなった患者との人数比較から支持された. また, NIA for HOTP案を使用した看護介入への有効性は事例から確認できた. しかし, 個別の詳細なアセスメント能力には限界があると予想される.

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