日本看護科学会誌
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術前がん患者の感情に影響する要因に関する研究
-知覚された支援ネットワークとHLOCに焦点をあてて-
大川 明子城戸 良弘
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2001 年 21 巻 3 号 p. 21-29

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抄録

本研究は, 術前がん患者の感情と患者が知覚している支援ネットワークやHLOCとの関連を明らかにすることを目的とした. 病名告知後, 根治手術目的で入院した胃がん・食道がんの患者, 計47名を対象者とした. 内的, 外的媒介因子の測定には支援ネットワーク尺度, JHLC (Japanese Version of Health Locus of Control) 尺度を, 感情の尺度にはPOMS (Profile of Mood States) 尺度を用いた. その結果, 情緒的支援ネットワークを知覚している対象者は「抑うつ-落込み」,「疲労」,「混乱」因子の感情が低く, 手段的支援ネットワークは「活気」因子の感情を低くするので, 術前がん患者には,「情緒的支援ネットワーク」を知覚できるような精神的援助を行うことが重要である. また, JHLCと感情との間には有意な相関が見られなかったが, 本来患者が有している統制の所在が明確になるような環境づくりや接し方が重要であると考えられる.

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