日本看護科学会誌
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21 巻 , 3 号
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  • -排便機能障害とQUIK-Rの関連-
    今井 奈妙, 城戸 良弘
    2001 年 21 巻 3 号 p. 1-10
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 低位前方切除術 (LAR) や前方切除術 (AR) を受けた患者の退院後の排便機能障害とQOLの実態を把握し, それらの関係を検討することであった.
    質問紙は, 排便障害評価尺度 (DDAS) と自己記入式QOL質問表 (QUIK-R), およびデモグラフィックシートから構成し, 正ARまたはARを受けた後3年以内にある患者192名が研究対象となった. 対象者の平均年齢は64.6歳 (SD=10.4) であった. データの分析には, Mann-Whitney検定, Kruskal-Wallis検定, Spearman's順位相関, 重回帰分析 (step-wise法) を使用した.
    ARを受けた対象者に比較して, LARを受けた対象者でDDASの得点が有意に高く, DDASとQUIKRには正の相関が見られた. 特に強い相関があったのは,「Soiling」であった. また, 重回帰分析ではQUIK-Rの得点変動の22.3%がDDASと術式によって説明された.
    これらのことより, 外来通院をする大腸癌術後患者においては, 術式が排便機能障害の程度に影響し,「Soiling」等の排便機能障害がQOLに影響していることが示唆された.
  • 近藤 好枝
    2001 年 21 巻 3 号 p. 11-20
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 気管内吸引後に実施される「境界付腹臥位屈曲姿勢」と「ルティーンケア」とを比較し, その効果を行動状態 (ストレスサインの出現および安定した睡眠状態) によって明らかにすることである. 対象は9名の極低出生体重児であり, 出生時の平均在胎週数は26.96週 (23週6日~28週6日), 平均出生体重は968.4g (572g~1524g) であった.
    心拍数と動脈血酸素飽和度の測定による自律神経系と, 行動観察による運動系の指標とを統合してストレスサインを, Thoman分類により睡眠状態を, 吸引前から吸引後30分まで2分ごとに観察した. これにより, 実験群は20観察場面, 対照群は22観察場面のデータが得られた.
    結果は, ストレスサインには, 主効果である時間 (F=3.530, p=0.0001) と介入の有無 (F=12.476, p=0.01) に有意差が認められた. また, 時間と介入の有無との間には, 有意な交互作用が存在した (F=3.018, p=0.001).「境界付腹臥位屈曲姿勢」は, ストレスサインに対して, 短時間に抑制的に働いたことが明らかになった.
    気管内吸引終了から静的睡眠に入るまでの平均所要時間は, 実験群が (11.5±7.2) 分であったのに対して, 対照群は (19.0±11.7) 分であった. 実験群は, 対照群に比べて, 有意に短い時間で静的睡眠に入った (t=-2.529, df=35, p=0.016).
    以上のことから,「境界付腹臥位屈曲姿勢」は, ストレスサインを制限し, 同時に自己調整行動を促進して睡眠に導き, 落ち着いた状態を維持させるのに効果があったことが明らかになった.
  • -知覚された支援ネットワークとHLOCに焦点をあてて-
    大川 明子, 城戸 良弘
    2001 年 21 巻 3 号 p. 21-29
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究は, 術前がん患者の感情と患者が知覚している支援ネットワークやHLOCとの関連を明らかにすることを目的とした. 病名告知後, 根治手術目的で入院した胃がん・食道がんの患者, 計47名を対象者とした. 内的, 外的媒介因子の測定には支援ネットワーク尺度, JHLC (Japanese Version of Health Locus of Control) 尺度を, 感情の尺度にはPOMS (Profile of Mood States) 尺度を用いた. その結果, 情緒的支援ネットワークを知覚している対象者は「抑うつ-落込み」,「疲労」,「混乱」因子の感情が低く, 手段的支援ネットワークは「活気」因子の感情を低くするので, 術前がん患者には,「情緒的支援ネットワーク」を知覚できるような精神的援助を行うことが重要である. また, JHLCと感情との間には有意な相関が見られなかったが, 本来患者が有している統制の所在が明確になるような環境づくりや接し方が重要であると考えられる.
  • 江藤 宏美
    2001 年 21 巻 3 号 p. 30-39
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    本研究は, 家庭環境における生後1か月児を対象として, 夜間の睡眠・覚醒の行動観察を行い, 睡眠状態の特徴を明らかにすることを目的とした. 対象は36人の第一子, 正常児 (生後30.8日) で, 自宅における夜間の睡眠・覚醒状態の録画をビデオ録画法によって2夜連続行い, 第2夜のデータをプロトコールに従ってコード化し, 分析した.
    その結果, 1か月児の当該夜における睡眠の全体像は, 総録画時間のうち総睡眠時間はその約7割を占める7.4時間であった. 睡眠時間のうち浅い眠り (Active Sleep) と深い眠り (Quiet Sleep) のバランスは7: 3で, 浅い眠りの割合が多かった. 夜間の中途覚醒により分断される周期毎の睡眠期は, 平均124分であった. 睡眠変数の主成分分析により,「眠りの安定性」「眠りの深さ」の2成分が抽出された.「眠りの安定性」は [平均睡眠期],[睡眠率],[覚醒回数],[覚醒期のばらつき]の4変数から,「眠りの深さ」は[%QS],[%AS]の2変数からなっていた. 今回, 睡眠の必然的分断によっておこる, 1か月児の実際的な睡眠の特性を反映した新しい睡眠変数[平均睡眠期][覚醒期のばらつき]が採択された.
    今後は, これらの変数をさらに検討するとともに, 継続的な観察を通して, 乳児の睡眠・覚醒パターンを明らかにしていくことが重要であると考える. また, 今後の方向性として, この研究法をさらに進め, 夜間の睡眠や授乳に関わる母子の相互作用を明らかにする必要性が示唆された.
  • 東 ますみ, 白田 久美子, 安森 由美, 川端 京子
    2001 年 21 巻 3 号 p. 40-49
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    骨粗鬆症患者のQOLを, 主観的幸福感と幸福感や精神的健康の基盤をなす不安, 抑鬱, 自尊感情から明らかにし, 心理面に対する看護援助の必要性について検討することを目的として, 心理学的スケールを用いた自己記入方式の質問紙を作成し, 調査を行った. 調査対象者は, 大阪府内の骨粗鬆症専門外来に通院中の女性患者230名である. 心理学的スケールは, 生活満足度評価, 状態不安尺度, 鬱状態尺度, 自尊感情尺度を用いた.
    骨粗鬆症患者のQOLは, 主観的幸福感からみるとやや低い傾向がみられ, 不安や抑鬱傾向にあった. しかし, 自尊感情については約90%の患者が高い値を示した. また, 脊椎骨折のある患者と日常生活動作に障害のある患者は, 抑鬱性がみられ, 骨粗鬆症の人が身近にいる患者は, 不安傾向がみられた. 重回帰分析の結果, 自尊感情, 不安, 罹病期間, 健康満足感, 鬱状態が, 主観的幸福感に影響する要因であることが明らかとなった. 心理面に対する援助としては, 自尊感情を高める看護援助が重要であることが示唆された.
  • 戈木クレイグヒル 滋子
    2001 年 21 巻 3 号 p. 50-60
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    この研究では,看護婦が子どもの死の時期を予測する方法とそれをおこなう意味とを検討した. 25人の看護婦から聞き取ったデータを分析した結果, 子どもの全身状態の変化と言動の変化とが予測の指標になっていることがわかった.このうち, 言動の変化は意識していなければ見過ごしてしまう可能性が高く指標として使いこなしている看護婦は少なかったのだが, 看護婦独自の指標であると共に, 全身状態や検査データの変化に先立って表れることが多いものなので, 子どもの死が近くなったことをいち早く知るための重要な指標であると考えられた.
    死の時期の予測は,最期の場を整えるという働きかけにつながっており,看護婦は他の看護婦や医師との間で自分の予測を共有することで観察を強化し, 迅速に対応して子どもの苦痛を緩和できるように準備をすると同時に, 最期の場に医師が間に合うように状況を整えていた. また, 家族とも情報を共有することで子どもの死を受け入れることを促し, 最期の場にいてほしい人を揃えるというような働きかけをおこなっていた.これらの状況から, 子どもの死の時期を予測する技術は最期の場を整え,家族に『よい看取り』 をおこなってもらう働きかけの基本になるものだといえるだろう.
  • -情報への満足度に関して-
    福井 小紀子
    2001 年 21 巻 3 号 p. 61-70
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    がん患者の情報への満足度は概して低く, その支援策を検討していくことは医療者にとって急務である. そこで, 本研究では, 初発乳がん患者に対して教育的グループ介入を行い,情報への満足度に関する効果について無作為比較対照試験を用いて検討した.
    対象は, 年齢65歳以下, 術後経過期間4~18ヶ月の初発乳がん患者である. 介入内容は毎週1回90分, 全6回, 教育, コーピング技能訓練, リラクゼーションの3部から構成されるものである. 介入のアウトカムである情報への満足度の評価はベースライン時, 介入6週後, 介入6ヶ月後の3回, Visual Analogue Scaleを用いて行った.
    151例の適格者のうち50名 (33%) が研究に参加し, 介入群 (n=25) および対照群 (n=25) に無作為に割り付けられた.6週間の介入により, 介入群は対照群に比べ, 乳がんに関する情報 (p=.04), がんによるストレスに関する情報 (p=.0001), がんへの対処法に関する情報 (P=.0001), および医療全体 (p=.0009) への満足度が6ヶ月間にわたり有意に改善した.
  • 大村 典子, 山磨 康子, 松原 まなみ
    2001 年 21 巻 3 号 p. 71-79
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は, Mullerの愛着モデルを用いて, 母親の内的ワーキングモデルと児への愛着との関連を検討するために, 母親の内的ワーキングモデルをタイプ分けし, 各タイプ別に胎児および乳児への愛着を検討することである.
    妊娠後期から産後1ケ月の母親を対象とした短期縦断調査を行った結果,
    1) 妊娠後期の胎児愛着得点と乳児愛着得点との間に中等度の相関が認められた.
    2) 母親の内的ワーキングモデルを安定型, 不安定型, 回避型の3タイプに分類すると, 安定型の母親は他タイプの母親に比べ胎児への愛着得点が有意に高かった.
    3) 安定型の母親は胎児愛着得点と乳児愛着得点との問に強い相関が認められた. 不安定型, 回避型の母親の胎児愛着得点と乳児愛着得点の相関は低かった.
    以上の結果より, MÜllerの愛着モデルに関し, 母親の内的ワーキングモデルと胎児および乳児への愛着との間に関連があることが証明された. 内的ワーキングモデルは, 愛着の世代間伝達の問題を考えていくうえで重要な概念の一つであるが, これは出産後のみならず妊娠期から考慮すべき概念であると考えられる.
  • 野嶋 佐由美, 岡谷 恵子, 片田 範子, 川村 佐和子, 鈴木 志津枝, 高田 早苗, 高野 順子, 手島 恵, 中野 綾美, 横尾 京子
    2001 年 21 巻 3 号 p. 80-90
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
  • -「日本看護科学会誌」の現状-
    松本 直子, 堀内 成子, 江藤 宏美, 水流 聡子, 美代 賢吾, 石垣 恭子, 柏木 公一, 柳田 征宏, 真田 弘美, 山田 雅子
    2001 年 21 巻 3 号 p. 91-94
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
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