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日本看護科学会誌
Vol. 21 (2001) No. 3 p. 50-60

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http://doi.org/10.5630/jans1981.21.3_50


この研究では,看護婦が子どもの死の時期を予測する方法とそれをおこなう意味とを検討した. 25人の看護婦から聞き取ったデータを分析した結果, 子どもの全身状態の変化と言動の変化とが予測の指標になっていることがわかった.このうち, 言動の変化は意識していなければ見過ごしてしまう可能性が高く指標として使いこなしている看護婦は少なかったのだが, 看護婦独自の指標であると共に, 全身状態や検査データの変化に先立って表れることが多いものなので, 子どもの死が近くなったことをいち早く知るための重要な指標であると考えられた.
死の時期の予測は,最期の場を整えるという働きかけにつながっており,看護婦は他の看護婦や医師との間で自分の予測を共有することで観察を強化し, 迅速に対応して子どもの苦痛を緩和できるように準備をすると同時に, 最期の場に医師が間に合うように状況を整えていた. また, 家族とも情報を共有することで子どもの死を受け入れることを促し, 最期の場にいてほしい人を揃えるというような働きかけをおこなっていた.これらの状況から, 子どもの死の時期を予測する技術は最期の場を整え,家族に『よい看取り』 をおこなってもらう働きかけの基本になるものだといえるだろう.

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