日本看護科学会誌
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初発乳がん患者に対する教育的グループ介入の有効性の検討
-情報への満足度に関して-
福井 小紀子
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2001 年 21 巻 3 号 p. 61-70

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抄録
がん患者の情報への満足度は概して低く, その支援策を検討していくことは医療者にとって急務である. そこで, 本研究では, 初発乳がん患者に対して教育的グループ介入を行い,情報への満足度に関する効果について無作為比較対照試験を用いて検討した.
対象は, 年齢65歳以下, 術後経過期間4~18ヶ月の初発乳がん患者である. 介入内容は毎週1回90分, 全6回, 教育, コーピング技能訓練, リラクゼーションの3部から構成されるものである. 介入のアウトカムである情報への満足度の評価はベースライン時, 介入6週後, 介入6ヶ月後の3回, Visual Analogue Scaleを用いて行った.
151例の適格者のうち50名 (33%) が研究に参加し, 介入群 (n=25) および対照群 (n=25) に無作為に割り付けられた.6週間の介入により, 介入群は対照群に比べ, 乳がんに関する情報 (p=.04), がんによるストレスに関する情報 (p=.0001), がんへの対処法に関する情報 (P=.0001), および医療全体 (p=.0009) への満足度が6ヶ月間にわたり有意に改善した.
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